F1ドライバーズタイトル2連覇中のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)のチームメイトとして、マクラーレンからランド・ノリスが移籍するのではないかという噂が飛び交う中で、マクラーレンのザク・ブラウンはそういったシナリオを否定している。

 ノリスとレッドブルの関係がイタリアGPの週末に大きな注目を集めたのは、ノリスが友人であるフェルスタッペンといつかコンビを組む可能性を否定しないと認めたためだ。

「将来的には間違いなくオープンな話だよ」とノリスは言う。

「マックスはF1史上最高のドライバーのひとりだと思う。F1に出るまで彼とレースをしたことはなくて、僕はいつも下のカテゴリーにいた。カート時代から既に彼のことはそれなりに知っていた」

「2012年から2013年にかけて、僕は彼に初めて会って、彼のことを知ることができた。だから彼がやっていることを目の当たりにすることができたし、それは単に良いマシンに乗っていてパフォーマンスを発揮しているということだけじゃないと思う。彼はどんなマシンに乗っていても、同じようなパフォーマンスを発揮できると思う」

「そういう人と一緒に仕事ができたら素晴らしいし、同時に彼に対して自分がどこまで立ち向かえるかを確認することもできる。僕はその可能性にオープンだよ」

「先日、僕は彼をマクラーレンに誘ったんだ。彼が来たいなら大歓迎だよ」

 ノリスは2022年シーズンに先立ち、マクラーレンとの契約を更新。2025年シーズン終了末まではチームに留まることとなっている。

 ただ興味深いのは、ノリスがレッドブルへ移籍するかもしれないという説が、マクラーレンが2026年からレッドブルパワートレインズ(RBPT)のパワーユニット供給を受けるオプションと関連付けられていることだ。パワーユニット契約を得る一環として、マクラーレンがノリスを早期に放出する可能性もありえなくはないとしている。

 レッドブルはセルジオ・ペレスと2024年末まで契約を結んでいるが、2025年にはフェルスタッペンのチームメイト枠に空きが出ることも考えられる。

 しかしマクラーレンのザク・ブラウンCEOはそういったシナリオを否定。少なくとも現在の契約は満了を迎えると強調している。

 motorsport.comの姉妹サイトであるMotosport-Total.comがブラウンCEOに対し、マクラーレンはノリス放出のオファーを拒否するかと尋ねると、彼は次のように答えた。

「その通りだ。ランドは2025年までマクラーレンでレースをする。間違いなくね」

 またブラウンCEOは今年初め、RBPTの新しいファクトリーを訪れていたが、彼がレッドブルからパワーユニット供給を引き出すために強く働きかけているという指摘を否定している。

 そしてブラウンCEOは、マクラーレンが2025年以降も現在のパートナーであるメルセデスとの契約を延長するかどうかを検討する中で、全てのメーカーと話し合いの機会を持つことが自分の仕事だと語った。

「我々はレッドブルとその施設を訪問したが、彼らのやっていることは印象的だった」とブラウンCEOは付け加えた。

 レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は、イタリアGPでノリスに関して質問された際、チームに招く可能性を否定しなかった。ただ、レッドブルが契約をないがしろにするつもりはなく、無理やりマクラーレンからノリスを引き抜くことはないと主張した。

「ランドが素晴らしいドライバーであることは間違いないし、彼のポテンシャルが高まっている」とホーナー代表は言う。

「しかし、彼はマクラーレンのドライバーであり、契約を尊重しなければならない」

「彼はF1で素晴らしい仕事をしているし、もちろん2024年のシートも決まっている。想像できるに、シートへの興味は尽きない。だが、現時点ではまだ先の話だ」

 ちなみに、ノリスの獲得に興味を示しているのはレッドブルだけではない。ノリスはフェラーリとの関係も噂され、motorsport.comの調べではアストンマーチンのグループCEOであるマーティン・ウィットマーシュも移籍についてノリスに接触を試みたようだ。