ポルシェ6号車のドライバーとしてWEC富士6時間レースに参戦するアンドレ・ロッテラーは、日本での久々のレースに興奮していると語った。

 ロッテラーは2003年からスーパーGTやフォーミュラ・ニッポン、スーパーフォーミュラで活躍。日本のモータースポーツファンにもお馴染みのドライバーだが、2017年限りで日本を離れフォーミュラEへ参戦していたこともあり、日本でのレースは2018年にレベリオン・レーシングから参戦したWEC富士が最後になっていた。

 富士に”帰ってきた”ロッテラーは、日本のファンの愛の深さに感動しているとmotorsport.comに語った。

「僕はここで15年間レースをしていた。僕の人生の中で大きなチャプターだ。戻ってくることができて、本当に興奮しているよ」

「すでに多くのファンがグランドスタンドに横断幕を掲げて応援してくれている。戻ってこれて嬉しいよ。僕はここに何回も来ているから、東京を離れても自分がどこに向かっているのかよく分かるよ!」

「日本のファンはとても義理堅くて、一旦”彼ら”のドライバーになると、WECやフォーミュラEでも変わらず、世界中でファンが応援してくれるんだ。彼らの愛と献身にはとても感動させられるよ」

 ポルシェのLMDh車両である『963』は、シーズン途中から参戦しているカスタマーチームも含め、最多4台がエントリーしているが、これまで表彰台は第2戦ポルティマオで6号車が獲得した3位のみとなっている。

 ロッテラーは、テストにより改善は行なわれているものの、大きなジャンプアップを果たす可能性は低いと話した。

「判断するのは難しいが、ホモロゲーションが機能している以上、ステップは大きくない。スパでテストを行ない、マシンのフィーリングは少し良くなったよ」

「BoPについてはあまり話せないけれど、モンツァでは問題が起きる前まではそれほど悪くはなかった。このコースが僕たちのクルマにどうフィットするか様子を見なければならないが、ハードにプッシュしているのは確かだ」

 ポルシェやキャデラックといったLMDh勢が一歩遅れているのではないかという質問に、ロッテラーは「難しい質問だけど……間違いなくその傾向はあるから、もっと理解する必要がある」と答えた。

 最終戦バーレーンと富士、どちらの方が好結果が期待できるかという質問に、ロッテラーは「何とも言えない」と答えている。

「ここ富士では長いストレートで直線スピードが重要だが、最終セクターでも強くないといけない。バーレーンではタイヤマネジメントがうまくなければならない。正直なところ、自分たちの強みを特定するのは難しい」

「ポルティマオではいい走りができたが、同じようなダイナミックなコースは(他には)ない」

「でもどこかでうまくいったマシンは他のどこでもうまくいく可能性がある。マシンの総合的なパフォーマンスを決めるエンジンの特性やダウンフォース、空気抵抗はかなり固定されているからね」

 そう語ったロッテラーだが、ウエットコンディションのFP1でポルシェ6号車は4番手と上々の滑り出し。久々の富士でロッテラーがどんな走りを見せるのか注目だ。