ミサノ・サーキットでMotoGP第12戦サンマリノGPのフリー走行1回目が行なわれた。トップタイムを記録したのはミケーレ・ピッロ(ドゥカティ)だった。

 前戦カタルニアGPではフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)がクラッシュし後続のマシンに脚を轢かれた。ただ幸い彼に大きな怪我はなく、木曜日に行なわれたメディカルチェックでも問題ないことが認められ、FP1からコースに出てマシンを走らせた。一方で同じくカタルニアGPでクラッシュしたチームメイトのエネア・バスティアニーニは手と脚を骨折したため、日本GPまで欠場することになった。

 FP1の走行が始まると、セッションをリードしたのはレギュラーライダー組ではなく、ワイルドカード参戦組だった。

 ドゥカティのテストライダーとしておなじみの存在であるピッロは1分32秒405をマークし、これが暫定トップタイムとなった。また同じくワイルドカード参戦のダニ・ペドロサ(KTM)も2番手に続くなど、序盤とはいえテストライダーがレギュラー勢を上回る状態となった。なおペドロサは今回新型シャシーのマシンをテストしている。

 そして10分も経たないうちにホンダ勢にトラブルが発生。アレックス・リンス(LCRホンダ)の代役として8年ぶりのMotoGP参戦となった高橋巧が、スロー走行でマシンをコース外へと運んだ。

 前戦のクラッシュから間もないバニャイヤは、FP1前半には1分35秒台とまずは状態の確認といった雰囲気。またマシンから降りた後は脚を気遣ってゆっくりとした歩きになっている様子でもあり、流石に本調子からは遠いようだった。

 セッション中盤はマーベリック・ビニャーレス(アプリリア)が1分32秒537を記録して2番手に浮上したが、依然としてピッロが首位につける状態で、残り15分を切った。

 その後ペドロサが少しペースを上げ、自己ベストを更新。1分32秒250をマークし、僅かながらピッロのタイムを更新し暫定トップとなった。

 ラスト5分を切って他のライダーもアタックに入り、タイムシートの上位争いにも動きが生じ始めた。

 ホルヘ・マルティン(プラマック)やルカ・マリーニ(VR46)らドゥカティ勢がタイムを更新していくが、ピッロも負けじと自己ベストを更新。ラストアタックでピッロが1分31秒909をマークし、テストで経験豊富なコースとはいえワイルドカード参戦ながらFP1トップタイムとなった。

 2番手に続いたのはマリーニ。3番手はマルティンとなった。なお6番手にはペドロサ、11番手にステファン・ブラドル(ホンダ)が続くなど、テストライダー勢がレギュラーライダーと肩を並べる状況となった。

 カタルニアGPで戦慄のクラッシュがあったバニャイヤは、タイムは全く追求しておらず、20番手タイムでセッションを終えた。

 日本人ライダーの中上貴晶(LCRホンダ)は19番手。リンスの代役を務める高橋は1分37秒849で24番手だった。