【MotoGP】「ホンダは僕の要望に反応してくれている」移籍が噂されるマルケス、自身の求めに応じて陣営内に変化が起きていると明かす
2024年シーズンまでホンダと契約を結んでいるマルケス。しかしホンダは、マルケス以外のライダーも含めてパフォーマンス的に厳しい状況がずっと続いており、マルケスはこの状況に痺れを切らして、契約期間を1年短縮し、来季からドゥカティ陣営のグレシーニに移籍して弟のアレックス・マルケスとコンビを組むのではないかという噂がまことしやかに語られている。
マルケスはこの噂について、ホンダ(HRC/ホンダ・レーシング)と「契約がある」と語るに留めているが、サンマリノGP終了後に同じミサノ・ワールドサーキット・マルコ・シモンチェリで行なわれる公式テストは、マルケスが自身の将来を決める上で極めて重要なテストであると見られている。
ホンダはこのテストで2024年型のプロトタイプマシンを走らせることとなっており、サンマリノGP初日では今回ワイルドカード参戦しているステファン・ブラドルがこれを使用した。
マルケスはサンマリノGP初日午後のプラクティスで6位。ただこれは、新しいカーボンファイバー製のシャシーに乗り、KTMからワイルドカード参戦しているダニ・ペドロサのスリップストリームを使って記録したタイムでもあった。
ペドロサは長年ホンダのライダーとしてキャリアを過ごしたが、2018年限りで引退。しかし引退後は、自身がテストライダーを務める上でホンダは最適な環境ではないと悟ったため、KTMに移籍してテストライダーを務めることを決断した。
最近のKTMはパフォーマンスを上げつつあり、ホンダ勢よりも先行していることが多い。その状況を考えれば、ペドロサとテストドライバーとして契約しなかったホンダの決断は間違っていたのではないか? そう尋ねられたマルケスは、ストレートな回答は避けつつも、テストチームにとって重要なのはエンジニアであり、その点についてホンダは自分の要望に「対応している」と語った。
「テストライダーが重要だというのは、もちろん事実だ。そしてダニは、バイクをテストし、助言する上では最高のライダーだと思う」
そうマルケスは語った。
「でも僕としては、テストライダーにとって最も重要なのはエンジニアだと思う。ご存知の通り、アプリリアとドゥカティには、ダニ・ペドロサではなく通常のテストライダーがいる」
「でも彼らは大きく改善できている。つまり結局のところ、もっとも重要なのは依然としてエンジニアや開発サイドだ」
「今回のようにブラドルは新しいモノをテストしてくれているし、ガレージには新しい人材、新しいエンジニアがいる。日本側は僕の要望に反応してくれているし、これは良いことだと思う」
マルケスは金曜日のフリー走行で3つのセットアップを試した。しかしトラクション不足という問題は依然続いており、これはホンダのバイクに根本的な問題があることを証明していると語る。
「理解するのが難しいから、起きていることはとても奇妙なんだ」
そうマルケスは言う。
「しかしオーストリアでは、僕は自分でセットアップを選んだ。モンメロ(カタルニア)ではブラドルのセットアップだった。ここでは僕のセットアップを改めて選んだ」
「午前中には他のホンダ勢は、ブラドルのセットアップを選択した。その後僕のセットアップを試し、改善したようだ」
「僕の誤解じゃなければ、中上(貴晶/LCRホンダ)は、ブラドルのセットアップでもう少し進めている。ミル(ジョアン・ミル/レプソル・ホンダ)は、僕のセットアップを進めている」
「これは小さなセットアップ変更でなく、大きなセットアップ変更だ。それでも例えばタイムアタックなどでは、別のセットアップで走ったら速かった」
「しかし常に同じような問題がある。つまり、問題の原因はセットアップではなく、別の部分にあるということだ」