富士スピードウェイで開催されている世界耐久選手権(WEC)第6戦富士6時間レース。土曜日の予選ではTOYOTA GAZOO Racingの7号車GR010ハイブリッドを駆る小林可夢偉が圧倒的なラップタイムでポールポジションを獲得した。

 これについてチームのテクニカルディレクターであるパスカル・バセロンは、小林の定評ある予選ペースと母国戦という土地勘も関係していると説明している。

 小林は僚機8号車に0.624秒差の1分27秒794を記録し、3番手のポルシェには0.893秒差をつけた。しかも、8号車が昨年の富士で記録したポールタイム(1分29秒234)より1.4秒も速いモノだった。

「彼のタイミング、タイヤの準備、サーキットの走り方など、全てが正しかった」とバセロンは語る。

「富士では、サーキット慣れしたドライバーのアドバンテージは小さいものだ。どのチームにも見られることだが、速いドライバーは何度もここでレースを経験している」

 小林自身も、1分27秒台というタイムに驚いたという。

「マシンのフィーリングは、プラクティスの時よりもかなり良くなっていました」

「僕もあんなラップタイムは予想してなかったですよ。タイムを見たときは少し驚きました」

 なお、バセロンは小雨の中行なわれたハイパーカークラスの予選は“運”の要素も絡んでいたとして、ライバルの数台は本来のペースを発揮できなかったと示唆している。

「我々は正しくやったが、運も少し関係していた」と彼は言う。

「フェラーリには今回見せたモノ以上のパフォーマンスを予想していたし、プジョーももっと速いと予想していた」

 なお富士6時間レースは11時にスタートを迎えた。トヨタ勢はスタートでポジションを落とし、ポルシェやフェラーリに先行される厳しいレース序盤となっている。