WRC(世界ラリー選手権)第10戦アクロポリス・ラリーが行なわれ、カッレ・ロバンペラが優勝。タイトル争いのライバルであり、チームメイトでもあるエルフィン・エバンスに、1分31秒7という差をつけての完勝だった。

 アクロポリス・ラリーは週のはじめに豪雨に見舞われた影響で準備が遅れ、木曜日のシェイクダウンが中止されるなど、波乱の幕開けとなった。

 木曜夜にアテネで行なわれた市街地ステージで幸先良くトップタイムを記録したエバンスだったが、金曜日に荒れたグラベル路面に戦いの場を移すと、ヒョンデのティエリー・ヌービルとトヨタのセバスチャン・オジェに先行されてしまう。この金曜日を終えた時点でロバンペラは首位から25.5秒の遅れとなっていた。

 しかしコースも乾いた土曜日、首位ヌービルとオジェが相次いでストップ。ロバンペラは一気に2分以上の差をもって首位に立つことになった。ヌービルは右のフロントサスペンションに致命的なダメージを負い、オジェがパンクとリヤサスペンションの破損に見舞われてしまったのだった。

 このリードはロバンペラにとってはセーフティなモノであり、最終的に1分半の差をつけて優勝を果たした。しかも最終パワーステージでもロバンペラは2.5秒差でエバンスを下しており、リードを33ポイントに広げることになった。

 ヒョンデのダニ・ソルドが、エバンスから4.2秒差の3位、Mスポーツのオイット・タナクは、ウォーターポンプのトラブルが影響して4位、エサペッカ・ラッピ(ヒョンデ)はラジエターを破損したことでレストランに水を汲みにいくなどしたため大きくタイムをロスし、5位だった。トヨタの勝田貴元は第11ステージでパンクに見舞われて4分以上をロスし、完走したラリー1のレギュラードライバーの中で最後方となる6位となった。