F1 2023年シーズン最後のヨーロッパラウンドとなったイタリアGP。舞台のモンツァ・サーキットのパドックは週末を通してVIPやゲストで溢れかえっていた。その中では混乱も発生しており、アルピーヌのピエール・ガスリーは自制を求めている。

 この週末を通してモンツァには30万4,000人ものファンが詰めかけ、パドックの盛況ぶりもF1人気の高さを示しめしていたと言えよう。

 一方で、その弊害も確認されている。パドックに人が溢れ返ったことで、ドライバーやチームが移動するのが難しくなっているのだ。motorsport.comもメカニックたちが人混みの中、機材の運搬に苦労している様子を見かけた。

 ファンの中には、時に行き過ぎた行動を取る人も。ガスリーはチームのホスピタリティ内の部屋のドアを叩く人もいたと明かしている。

 ガスリーは、ドライバーがファンから注目を集めることを楽しんでいるとしながらも、ファンに対して、チームやドライバーに敬意を払い仕事をしやすい環境を保つよう求めている。

 motorsport.comがパドックでの状況についてガスリーに尋ねると、彼は次のように答えた。

「僕はファンが大好きだし、立ち止まって時間を共にするのがいつも好きなんだ」

「でも、ここが僕らの仕事場であることは明らかだ」

「僕らが約束の時間に間に合うように移動する際は時々トリッキーになる。スケジュールは分刻みで、最も忙しいんだ」

「とても楽しいけど、時にはホスピタリティ内のドアをノックする人もいて、どうやって入ったんだろうと思うこともある」

「だから僕らがちゃんと仕事をできるスペースを与えてほしいんだ」

 パドックでの問題が持ち上がるのは今回が初めてではなく、昨年のメキシコシティGPでも同様の問題が発生。ガスリーがパドックを歩いている際にリュックサックが開けられたこともあった。

 当時、マクラーレンのランド・ノリスはドライバーへもっとリスペクトを払うべきだと訴えており、今年のメキシコシティGPに向けてノリスは次のように語っている。

「ファンがこれほどアスリートに近づけるスポーツは他にあまりないだろう」

「しかし他の多くのスポーツでは、ファンはよりリスペクトを払っているように見える。(F1の)ファンもリスペクトをもっと示すべきだ。簡単なことだよ」