MotoGP第12戦サンマリノGP翌日に行なわれたオフィシャルテストで、マルク・マルケス(レプソル・ホンダ)は新型マシンを試したものの、現行マシンと同じ問題が残っているようだ。

 ミサノテストは各メーカーが来季型のプロトタイプマシンを持ち込む機会となっているが、今年のテストはより注目度が高くなっていた。ホンダ離脱が噂されるマルケスの判断に、新型マシンの出来が影響してくると考えられていたからだ。

 マルケスはテストで1分31秒575をマーク。トップタイムを記録したルカ・マリーニ(VR46)からは0.973秒差の14番手だった。

 あくまでもテストでありタイムは参考に過ぎないモノだが、マルケスは新型マシン自体には厳しい評価を下している。午前のセッションが終了した後、メディアの取材に応えたマルケスは、次のように語った。

「ああ、かなり異なるライディングスタイルになっている。でも結局のところ、問題は多かれ少なかれ同じなんだ。だから僕らはもっと作業する必要がある」

 同じ問題というのはリヤグリップの不足なのか? マルケスはこの問いかけに「イエス」と答えて、2024年型プロトタイプについてさらにこう付け加えた。

「もちろん、これもテスト初回の、新型のファーストインプレッションでしかない。だけどテストライダーから既にそういったコメントを得ているんだ」

「ただ昨日も言ったように、僕はバイクを試す前に(そうした事前の情報に)影響されたくはないんだ」

「だから僕はそうしたコメントを耳に入れないようにして、自分で試そうとしていたんだ。ある方向性からスタートして、そのあとは僕のライディングスタイルに合わせるには時間もかなりかかるし、完璧ではないけど、バイクを僕の方向に少し変更してみたりした」

「それで良くなっていったけど、乗り方が違っている。そして問題も同じなんだ。まだこのテストは終わっていないから、バレンシア(最終戦後のテスト)に向け様子を見ることになるだろう」

「彼ら(ホンダ)は作業が必要だ。僕らは遠く離れてしまっている。これがもし新型のベースになるなら、依然として僕たちはかなり離されている。まだ多くのことを変えて、作業していく必要があるんだ」

 なおマルケスによると今回のプロトタイプマシンは、現行マシンからシャシーとジオメトリを変更したもので、エンジンは同一のモノだったという。

 またミサノテストでの新型の出来は、マルケスの将来を決めるにあたって、重要なものになると見られてきた。

 ドゥカティ陣営のグレシーニへの移籍が噂となっているマルケス。彼は将来の決断については、インドGPか日本GPが期限になっていると明らかにし、3つの選択肢の中から選ぶことになると述べた。

「ああ、もちろん締め切りはある。インドから日本GP周辺で決めることになる」

 既にその決断は決まっているという報道もあるが、マルケスは「変更されるときもあるから、明確ではないし知らせることはないよ」と答えている。

「決断というか、考えにはプランA、プランB、プランCがある。以前話した2つじゃなく3つの選択肢があるんだ」

「僕には明確なアイデアが3つある。それぞれ何が起こるかはハッキリしている。そして、まだ時間はある」