F1データ分析|脅威の強さで新記録10連勝フェルスタッペン。来週からのアジア連戦で今季タイトル決めるか? 最短決定は依然”鈴鹿”
今季圧倒的な強さを発揮しているのがレッドブルのマックス・フェルスタッペンで、ここまでの14戦で12勝。前戦イタリアGPまで、F1新記録となる10連勝を達成し、まさに敵なしの状況である。
フェルスタッペンはここまでに364ポイントを獲得。ランキング2番手のセルジオ・ペレス(219ポイント)との差は145である。残りのレースで獲得できる最大のポイント数は232ポイントであるため、まだまだペレスとしては逆転も可能だ。しかし、すでに自力での逆転は不可能だ。
ペレスが残りのレース(F1スプリント含む)を全て優勝し、ファステストラップも全て記録したとしても、フェルスタッペンが全て2位ならば、第20戦メキシコシティGPが終了した時点でふたりの差は103ポイント……残りのレースで獲得できる最大ポイント数は86ポイントとなるため、ここでチャンピオンが決まってしまうこととなる。
この計算からすると、マジックポイントは87。つまりフェルスタッペンが獲得したポイント数と、ペレスが最大獲得可能ポイントから取りこぼした数の合計が87を超えた時に、フェルスタッペンのタイトルが決まることになる。
■残りのレースでの獲得可能最大ポイント数
Rd15イタリアGP:232
Rd16シンガポールGP:206
Rd17日本GP:180
Rd18カタールGPスプリント:172
Rd18カタールGP:146
Rd19アメリカGPスプリント:138
Rd19アメリカGP:112
Rd20メキシコシティGP:86
Rd21サンパウロGPスプリント:78
Rd21サンパウロGP:52
Rd22ラスベガスGP:26
Rd23アブダビGP:0
極端な例を計算してみよう。もしフェルスタッペンが優勝とファステストラップを獲得し続け、ペレスが1ポイントも獲得できないレースが続けば……このケースでは日本GPで今シーズンのタイトル獲得が決まることになる。無得点でなくとも、この2戦で17ポイント以下しかペレスが獲得できなければ、フェルスタッペンは2連勝+ファステストラップで今季のチャンピオンを決められる。
なお来季から鈴鹿での日本GPは春開催に変更されるため、実質的には今季が、鈴鹿でチャンピオンが決まる最後のチャンスとも言える。その可能性は、現時点で十分に残っている。
なおペレスとしてはこの2レースで1度でも2位以上でフィニッシュすれば、フェルスタッペンのタイトル決定を先延ばしにすることができる。
フェルスタッペンが連勝記録を伸ばし、ファステストラップを獲得し続け、ペレスが2位を確保し続けた場合は、日本GPの翌戦カタールGPの決勝でフェルスタッペンのタイトル獲得が決まることになる。
今季圧倒的な強さを誇っているフェルスタッペン。チャンピオン獲得はほぼ間違いないという状況だ。そして計算上も、その時は確実に近づいている……ただ、レースは最後まで何が起きるかわからない。