8月末、ルイス・ハミルトンはメルセデスとの契約を2025年まで延長した。より早期に契約が纏まるという見方もあったが、チームによると交渉が長引いた背景にはマーケティングに関する条件の整理があったという。

 予想に反して、実際に延長が決まるまでには時間がかかったとも言える。そのため、発表までに、ハミルトンがメルセデスでF1を継続しない、もしくはF1を引退するのではといった憶測が飛び交うことに繋がった。

 ただその間も、メルセデス側は契約交渉は順調であり、最後は弁護士の関与のもと、法的な面の整理に時間がかかっただけだと対外的に説明していた。

 そして彼らの主張通り、ハミルトンはメルセデスとの契約を延長した。メルセデスのトト・ウルフ代表は、ハミルトンとの契約について改めて状況を明らかにし、マーケティング面の整理に時間がかかっていたのだと説明した。

「ルイスと私とで、6月か7月には(契約の)主要な面では明確にしていたと思う」とウルフ代表は言う。

「そして物事は順調に進み、サマーブレイクへと入った」

「最終的に時間がかかったのはマーケティングについてだった。他に何か大きなモノがあったわけではない。法的な面でも時間がかかることはあるが、我々の法務には素晴らしい人材がついているからね」

 メルセデスは2022、2023年シーズンとレッドブルに先行され、以前の常勝軍団というポジションから遠ざかってしまっている。ハミルトンは2021年終盤戦から未勝利が続いているが、彼もメルセデスと共にトップへ戻ることができると信じている。

 ハミルトンが少なくとも2025年までレースを続けることとなり、F1側もそれを歓迎している。F1のステファノ・ドメニカリCEOは「ルイスの決断をとても嬉しく思っている」と語り、さらに以下のように続けた。

「彼は傑出したドライバーであり、私は今の彼の目的は8度目の世界タイトルただひとつだと思っている」

「彼はとてもいい調子だと思うし、チームにも大きな信頼を寄せている。スポーツ的な観点から言うと、彼が留まると分かったのは素晴らしい」

「ルイスはF1を異なる世界と繋ぐことができた。これは間違いなく、F1全体にとってポジティブなニュースなんだ」