F1シンガポールGP予選で、レッドブルのマックス・フェルスタッペンは他車への妨害行為によって3件の審議が行なわれた。しかし最終的に、グリッド降格を受けることはなかった。

 問題となったのは、Q1におけるローガン・サージェント(ウイリアムズ)への走路妨害、そしてピットレーン出口で長時間停止していたこと、さらにQ2で角田裕毅(アルファタウリ)への妨害の3件だった。

 この3件は予選後に審議が行なわれ、最終的にサージェントの件はお咎め無し、ピットレーンと角田の2件に対しては戒告処分が下された。

 なおフェルスタッペンは今回予選でQ2敗退の11番手と非常に苦戦した。グリッド降格ペナルティがあればさらに苦しい展開なっていたはずだが、なんとかそうした事態は避けられたと言えるだろう。

 FIAスチュワードはターン17とターン18の間で発生したサージェントとの件では、フェルスタッペンに取ることのできる選択肢は限られており、直進し続けることが衝突を避けるための「最も安全な選択肢」だったと評価している。

 一方、角田との一件では、フェルスタッペンが妨害行為を行なったと判断。戒告処分を下し、レッドブルに5000ユーロ(約79万円)の罰金処分を下した。なおアルファタウリはこの一件で公聴会に出席しなかったという。

 ピットレーン出口で長時間停止し混雑するコース上でのギャップを確保しようとしていたことに対しては、“異常な長さ”という表現も使われた。ただ最終的には戒告処分にとどまった。FIAスチュワードの声明は以下の通りだ。

「ドライバーは前車との間にギャップを作るため、ピット出口から出るまでに(約14秒)待ったと述べた」

「チーム代表は、(フェルスタッペンの)後ろのクルマとのギャップが12秒に広がった一方で、彼はアウトラップで他のクルマがゆっくりだったことで、ギャップはターン5までに解消されたと説明している」

「異常な長時間とも思われるピット出口での待機によって、ドライバーは明らかなアドバンテージは得られなかったが、他のドライバーへ悪影響を与える可能性があるため、ペナルティを与えることが当然である」

「後方のクルマが(フェルスタッペンを)追い抜けた可能性は指摘されているが、車両は規則に従ってピットから出ていくことが望ましい」