マクラーレンF1チームは最終戦アブダビGPのフリー走行1回目で、インディカー・シリーズにアロー・マクラーレンから参戦するパトリシオ・オワードを起用することを明らかにした。

 F1のスポーティングレギュレーションでは、1シーズン中に2度、金曜日のフリー走行セッションでF1出走が2回以下のルーキードライバーを起用する義務が各チームに課されている。

 マクラーレンは今季ルーキーのオスカー・ピアストリをレギュラードライバーとして起用しているため、義務1回分を既に消化しており、オワードをアブダビGPのFP1で起用することによって義務を完了することとなる。

 本来ならばマクラーレンは、2度のインディカー王者アレックス・パロウをFP1で起用する予定だったようだ。

 パロウは昨年のアメリカGPでマクラーレンからFP1に出走し、シンガポールGPでもリザーブドライバーのひとりを務めると見られていた。来季からはインディカーでも現在のチップ・ガナッシ・レーシングからマクラーレンへ移籍すると考えられていたが、パロウが移籍契約を破棄したため、チームはドライバー起用プランを練り直すこととなった。

 そしてマクラーレンは、アブダビGPのFP1とシーズン終了後に同地で行なわれるポストシーズンテストの両方でオワードを起用するとシンガポールGPで発表した。

 オワードとしては、F1公式セッションでの走行は昨年のアブダビGPのFP1以来となる。

 マクラーレンのチーム代表であるアンドレア・ステラは、今年インディカーでランキング4位となったオワードが、F1参戦に求められるF1スーパーライセンスポイントの発給条件を満たしたと考えており、リザーブドライバーとしてF1チームに加わることができると語った。

「FIAに確認しているところだが、彼はスーパーライセンスを取得する資格を持っていると思う」

 シンガポールGPでステラ代表はそう語った。

「彼はF1マシンをドライブする資格があり、リザーブドライバーのひとりになれるということだ」

「ふたつのメインイベント(FP1とポストシーズンテスト)に、アレックスかパト(オワードの愛称)のどちらかが参加するはずだった。我々は2レース以上参加していない若手ドライバーをもう1回フリー走行で使わなければならなかったし、アブダビでの居残りテストもある」

「当初、こういうイベントを2ドライバーで分けて行なっていた。明らかに、今はこういう状態だから、アブダビのFP1でパトがステアリングを握り、アブダビGP後の火曜日にも彼がドライブするというのも約束する」