マリーナ・ベイ市街地サーキットで開催されているシンガポールGP。予選ではフェラーリのカルロス・サインツJr.がイタリアGPに続いてポールポジションを獲得した。

 サインツJr.は決勝レースに向けて、フロントロウに並ぶメルセデスのジョージ・ラッセルをはじめ、トップ5に並ぶドライバーを相手に争うことを予想している。

 その一方で、サインツJr.は後方に沈んだレッドブルのマックス・フェルスタッペンが決勝レースで挽回してくるとも予想している。

 レッドブルはシンガポールGPで週末を通して苦戦しており、予選では2台揃ってQ2敗退。フェルスタッペンが11番手、セルジオ・ペレスが13番手から追い上げを強いられることとなった。

 フェルスタッペンはQ3進出を逃したことに加え、コース上とピットレーンで他車を妨害したとして戒告処分を受けている。彼はグリッド降格ペナルティこそ回避できたものの、散々な週末となっている。

 フェルスタッペンは今回、勝利には手が届かないと考えているが、サインツJr.は異なる意見を持っている。

「マックスとレッドブルを無視することはできないと思う。彼らは決勝で、シーズンを通して見せてきたようなレースペースを見せるかもしれないし、どうにかして集団を抜き去っていくかもしれない」とサインツJr.は説明する。

「でももちろん、ここではより難しい課題が彼らを待っているし、(フェラーリにとっては)モンツァよりもチャンスは大きい」

「決勝レースでは、上位スタートの5台で争うことになると思う」

「ジョージが2本目の新品ミディアムタイヤを持っているのは事実だけど、ソフトタイヤも悪くなさそうだから、2ストップ戦略も可能だ。まとめ上げるのが難しいレースになると思うけど、上手くいけば大きなチャンスがあると思う」

 一方ラッセルは、フリー走行でのロングランプログラムでの結果から、メルセデスには強力なレースペースがあると考えており、フェラーリよりも新品ミディアムタイヤを1セット多く手元に残しているメルセデスが戦略面でも有利に運べると語っている。

 彼はフェルスタッペンについて言及はせず、決勝ではフェラーリ勢とメルセデス勢、そしてマクラーレンのランド・ノリスの5名が優勝争いを繰り広げると予想している。

「そうだね、フェラーリとの戦いになると思う。ランドもレースペースが良いから無視できないね。彼ら(マクラーレン)のレースペースは多分、フェラーリより少し良いみたいだ」

「でも、タイヤのデグラデーション(性能劣化)やピットストップ次第だ。正直なところ、現段階でタイヤデグラデーションがどうなるか正確には分からない」

「オーバーテイクが難しいサーキットでは、時を待ってピットストップで最大限の力を発揮するしかないんだ」