大クラッシュに繋がった100号車STANLEYと56号車リアライズの接触は、ピットインする際のライン変更で交錯。SUGOの特異なレイアウトを指摘する声も|スーパーGT第6戦
大クラッシュに繋がった100号車STANLEYと56号車リアライズの接触は、ピットインする際のライン変更で交錯。SUGOの特異なレイアウトを指摘する声も|スーパーGT第6戦
39周目に起きた事故の際、100号車STANLEYをドライブしていたのは山本尚貴で、56号車リアライズをドライブしていたのは名取鉄平であった。KONDO RACINGの関係者の話によると、名取は右に大きく回り込む最終コーナーを立ち上がった後、ピットインするためにピットロードのあるイン側に進路を変えようとしていた。ただ自身を追い抜こうとしていたGT500車両があったため、それを確認して譲ったものの、その後方にいた100号車の存在に気付かず、56号車の右フロントが100号車に接触した、というのが事故の状況のようだ。
コントロールを失ってアウト側のガードレールに激突した100号車はリヤを中心に大きなダメージがあり、その残骸は第3戦鈴鹿で大クラッシュした23号車MOTUL AUTECH Zを想起させるほどだった。ただ幸い山本には意識があり、首の痛みを訴えたものの手足は動かせていたという。なお山本はその後検査のためドクターヘリで搬送された。
このアクシデントについては、56号車に危険なドライブ行為があったと判定され、56号車にドライブスルーペナルティが出された。ただ複数の関係者からは、競技をするドライバーたちも細心の注意を払う必要があるとしつつも、スポーツランドSUGOのレイアウト自体が昨今のスーパーGT車両にとって難しいものになっていると指摘する声があった。
スポーツランドSUGOの最終コーナーは前述の通り右にぐるっと回り込むようなレイアウトとなっており、そこを立ち上がってすぐ、ドライバーから見て右側(イン側)にピットレーン入口が見えてくる。GT300を処理するGT500車両にとっても、最終コーナーで追い抜くにはタイヤのマーブルを避けるためにイン側から抜きにいくことが多い。しかも昨今のGT300車両は速度域が高いため最終コーナー立ち上がりまで追い抜きを完了できないことが多く、今回のようなライン交錯のリスクも生じてしまう。
また、こういったケースを避ける具体的な策としては、ピットレーン入口のホワイトラインを手前まで延長し、ピットインする車両が“インベタ”で走らざるを得ない状況を作る、などといった意見が挙がっていた。近年重大事故が多発する中、関係者たちは万全な対策を求めている。