「こんなマシン運転できない!」アロンソのシンガポールでの批判発言、アストンマーチン代表は問題視せず「何が起きたのか、しっかり分析する」
そのレース中にはアロンソが、マシンについて「運転できない」と厳しく批判するシーンもあった。チーム代表のマイク・クラックは、このアロンソの批判的な発言について、問題だとは感じていないという。
シンガポールGPでは、予選で大クラッシュを喫したランス・ストロールが欠場。アストンマーチンはアロンソ1台で決勝レースに挑んだ。しかしそのアロンソは、ピットレーン入り口でオーバーランしてしまったことで5秒のタイム加算ペナルティを受けた上にピット作業でも遅れ、さらに空力パーツが脱落したことでペースが上がらず……終始厳しい戦いを強いられ、結局15位でフィニッシュすることになった。
アロンソにとっても、そしてチームにとっても、このシンガポールGPが今季初の無得点レースとなってしまったのだった。
そんなアロンソは、レース中にアストンマーチンのマシンを「とても運転できない」と猛烈に批判。その発言は、かつてマクラーレンに在籍していた頃にホンダのパワーユニットのことを「GP2エンジン」と揶揄したことと似ているようにも思われた。
これについてクラック代表は、アロンソの気持ちを理解しているようだ。
「チームとして、ドライバーが批判しているなら、それを理解する必要がある」
アロンソの発言について尋ねられた際、クラック代表はそう語った。
「今回は明らかに、彼が期待し、慣れ親しんでいるようなパフォーマンスを発揮できなかった。しかし、彼の発言については問題ないと思っている」
「我々はドライバーに、全力を尽くして欲しいと思っている。それを考えれば、スポーツ選手がああいう形で反応するのは普通のことだ。だから、問題はないと思う」
アロンソは、堅実に走っていれば、シンガポールでも6位入賞を手にすることができたはずだ。しかし、突如としてそのレースは崩れはじめた。
「良いリズムができたと思った」
そうクラック代表は語る。
「前を行くドライバーたちと同じようなペースで走り続けるのは難しいだろうということは事前に分かっていたと思う。ミディアムタイヤでは、かなり安定して走れた」
「セーフティカーの後にハードタイヤを履くと、苦戦することになった。その理由については、理解する必要がある。バーチャルセーフティカーが出された時にも、まともなレベルのパフォーマンスを発揮しながら完走できるかどうか分からないと言ったほどだ」
「なので我々は、再びタイヤを交換することを決めた。しかしペナルティやピットストップのミスがあり、うまくいかなかった。そして、非常に悪いポジションでコースに復帰することになってしまった。最終的にはそれだけだ」
金曜日のフリー走行でのロングランでは、好調のように見えたアロンソ。クラック代表は、週末の間に何が問題だったのか、見直す必要があると語った。
「何が起きたのかを、本当の意味で理解する必要がある」
そうクラック代表は言う。
「マシンには少しダメージがあったが、その影響がどの程度なのかということも理解しなきゃいけない」
「サスペンションフェアリングのエアロパーツに問題があった。ピットストップの時にそれを発見し、写真でも見ることになった」
「3種類の異なる仕様のタイヤを使った。そしてシンガポールは常にトラフィックに悩まされるわけで、その影響を受ける。他のドライバーがどれだけタイヤをマネジメントしているのか分からない。ここでは、それがもっとも理解するのが難しいことのひとつだ」
またピットストップ時に、ジャッキが早く下ろされてしまったことについても、検証する必要があるとクラック代表は語る。
「それについても見直す必要があるだろう」
そうクラック代表は語った。
「もしああいう行動を行なうとしたら、いくつか設定が必要なのだ。それを分析するまでは、ミスと呼ぶことについても注意したいと思う」