2023年にアルファタウリからF1へフル参戦デビューしたニック・デ・フリーズ。彼は成績不振から7月に早くもそのシートを失ってしまったが、来季に向けてはトヨタの世界耐久選手権(WEC)チームへ加入すると見られている。

 そもそも、デ・フリーズは2022年のイタリアGPでウイリアムズから代役参戦した際に鮮烈なF1デビューを果たしたことで、急遽2023年のF1フル参戦が決まった経緯がある。

 そしてF1参戦が決まる以前の段階で彼は、2023年のWECにトヨタから参戦する契約を結んでいたが、F1シートの獲得に関する契約解除条項がついていたという。

 motorsport.comおよびAutosportの調べでは、デ・フリーズは2024年に向け、F1参戦がなければ本来彼が座っていたシートを、再び獲得する準備ができていることが分かった。

 そしてデ・フリーズはホセ・マリア・ロペスの後任として7号車のドライバーに加わることになると考えられている。

 なおトヨタ側はデ・フリーズとの契約の可能性については答えていない。

 トヨタのチームディレクターであるロブ・ルーペンは先日行なわれたWEC富士6時間レースの際、motorsport.comに対してデ・フリーズ加入の可能性を軽視する発言をしていた。

 一方、今年40歳となったロペスは、来季のトヨタ残留については決まったことはないと語っていた。

 彼はmotorsport.comからトヨタ残留の確信について尋ねられた際「いや、まだだ」と言及した。

「このチームに残れたら良いだろうけど、僕ももう20歳とかなわけでもないからね。様子を見てみよう。まだ決まっていないんだ」

 近年、トヨタは翌年のモータースポーツ活動に関する発表を、11月下旬から12月にかけて行なっており、WECのドライバーラインナップもそこで明かされている。

 なおデ・フリーズはアルファタウリ加入以前は、WECとフォーミュラEの2シリーズに参戦する準備ができていた。2024年にデ・フリーズがフォーミュラEへ参戦するかは分かっていないが、来年はWECスパとベルリンePrixの日程重複が発生していることは考慮すべき点だろう。