メルセデスのトト・ウルフ代表は、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが達成した個人最長の10連勝記録に対する発言が物議を醸していることについて、賢明な発言ではなかったかもしれないと認めた。

 フェルスタッペンはイタリアGPで勝利し10連勝を達成。これまでの最長連勝記録である9を超え、歴代トップの記録とした。なおメルセデスとしての連勝記録はニコ・ロズベルグの7連勝、ルイス・ハミルトンの5連勝となっている。

 前人未到の偉業が達成された形だが、メルセデスのウルフ代表はそれらの記録があまり重要ではないと考えており、フェルスタッペンの記録は「ウィキペディアに載るだけでどうせ誰も読まない」と語った。

 当時のメルセデスが連勝記録を更新できなかったことについて『Sky Sports F1』に質問されたウルフ代表は、次のように述べた。

「我々の時の状況は少し異なっていた。というのも、我々はふたりのドライバーがチーム内で争っていたからだ」

「彼が記録のことを気にしているかどうかは分からない。私にとってもそういった数字は重要なものではないし、ウィキペディアに載るくらいでどうせ誰も読まない」

 この発言が波紋を呼ぶこととなり、フェルスタッペンからも「本当に上手くいっているチームは称賛されるべき」とメルセデスが功績を評価しない姿勢に関するコメントが出るまでに至った。

 そして後にウルフ代表は、こうした“パンチの効いた”発言をしたのは賢明ではなかったかもしれないと認めた。

「そうだね、たしかにこのコメントを振り返ると、その状況では『これが口に出せる中で最も賢明なモノだったのか』と思えるし、賢明なモノではなかったかもしれない」

「だがこれが私の常々の考え方だ。そしてこれはニキ(ラウダ)から学んだものだ。ニキは洗車サービスのためにトロフィーを手放していただろう」

「私の家でも、あまり(ラウダと)ふたりの思い出の品は見つからないはずだ。そういったものの数は、我々にとってあまり重要ではなかったんだ」

 なおウルフ代表は、たとえ統計的な数字が自分にとって重要ではなかったとしても、レッドブルは“最も価値のある賞”であるコンストラクターズタイトルの獲得をもって素晴らしい仕事を認められるべきだと付け加えている。

「F1は実力主義だ。そして私が今年もしばしば話してきたように、世界選手権を勝ち取れるのは最も優れた存在だけであり、そこでどれほど素晴らしい仕事が行なわれているのかを認識する必要がある」

「最終的に、彼ら(レッドブル)はまたトロフィーを手にすることになるだろうが、それが最も価値のあるモノだ。最高のドライバーが最高のクルマに乗り、世界選手権を勝ち取るんだ」