今季のF1は開幕からレッドブルによる連戦連勝が続いてきた。しかし前戦シンガポールGPでその連勝もついに途切れ、彼らの不敗神話にも終止符が打たれることになった。だが、ライバルチームはレッドブルが日本GPですぐにでも復活してくると予想しているようだ。

 レッドブルはシンガポールGPでは初日から大いに苦戦し、予選では2台揃ってQ2敗退。決勝のレースペースでは多少持ち直したものの、表彰台には手が届かず、マックス・フェルスタッペンが5位に入るのがやっとだった。

 レースはこのチャンスを活かしたカルロス・サインツJr.(フェラーリ)が勝利。レッドブルのシーズン全勝記録を阻止することとなった。

 ただライバルはレッドブルが日本GPでも調子を落としたままだとは、全く考えていない様子だ。

 メルセデスのトト・ウルフ代表は、レッドブル以外の勝者が現れたことはF1にとって「新鮮な空気を吹き込む」ものだったと考えているものの、レッドブルの強さを忘れてはならないと語った。

「彼らは非常に強いため、今年は多くのレースで勝利を収めることができていた。ここシンガポールでは“外れ値”があったからといって、それを忘れてはならない」

「彼らが従来型のコースで強くなることは、間違いないだろう。だが異なる勝者が出て、レッドブル抜きの表彰台となったことは新鮮な空気をもたらしている。だから我々もレッドブルが支配する今年の中、小さくともポジティブなことと受け取る必要がある」

 シンガポールGPで勝利したサインツJr.も、レッドブルは再び優勝街道へ戻って来るだろうと語った。

「彼らがシーズン終盤のレースでも勝っていても、僕は驚きもしないだろうね」とサインツJr.は言う。

「シンガポールは僕らにチャンスを与えてくれたと思うし、それを上手く活かせた。でもレッドブルは依然として残るシーズンで上にいて、彼らを倒すのは本当に、本当に難しいだろうと思っている」

「フェラーリ、マクラーレン、メルセデスそしてアストンマーチンがレースごとにコンマ2〜3秒速くなって、レースペースでレッドブルに挑めるようになれば、それはF1にとって素晴らしいことだろうね」

「だけどレッドブルが今年のマシンを成功させて、こうして素晴らしい仕事をしているとなれば、彼らはその勝利に値すると思うのも事実だ」

 また躍進が著しいマクラーレンのランド・ノリスも、レッドブルは立ち直るはずだと語った。

「ちょっと夢を見ていたようだけど、レッドブルは来週に戻ってくるだろうと確信している」

「彼らがシンガポールで何に苦しんでいたのか僕はわからないけど、フェルスタッペンのオンボード映像を見て笑ってしまったよ。こんなにひどいクルマを見たことがなかったからね。マックスも笑っていたよ」

「次戦でどうなるか様子を見てみよう。僕はおそらく、彼らがトップへ戻っていると思うよ」