先日行なわれたF1シンガポールGPに、大規模なアップデートを投入したアルファタウリ。今シーズンは開幕から苦戦してきたが、このアップデート投入により、角田裕毅が予選Q1でトップタイムを記録し、決勝ではリアム・ローソンが9位入賞を果たした。これらは、2024年を見据えた開発の一環であるようだ。

 新しいサイドポンツーンは、現在のトレンドとも言えるダウンウォッシュ型コンセプトを継続採用。しかしながら、他チームが採用されているコンセプトと、アルファタウリ独自のコンセプトをうまく融合したモノであると言える。

 高い位置に薄めに開けられたインレットから、上面はリヤに向けて後傾しているのは従来通りだが、その中腹には膨らみが設けられている。

 下部には強烈なアンダーカットが設けられているが、各コンポーネントを収納するために一度左右に広がり、その後方で再び急激に細く絞り込まれている。これによりフロアへのサポートも変更されている。

 サイドポンツーンの後方は、肩の部分が盛り上がり、上面に溝を形成する形となっている。フェラーリやアストンマーチンのような顕著な溝ではないものの、同じような効果を見込んでいるはずだ。

 エンジンカウルのボディワークにも変更がある。リヤサスペンション上に後方に向けて開けられた冷却用の開口部のサイズは大きくなり、サスペンションフェアリング自体にも変更が加えられている。

 リヤブレーキダクトの入り口と出口のサイズが変更され、ウイングレットに向けた流れを改善しているが、これらボディワークの変更は、それに合わせたモノであると考えられる。

 またフロアの変更に伴い、ディフューザーにも変更が加えられた。このディフューザーの変更の一部が、その側面に開けられた半円形の切り欠きの形状。これは、フロア全体の変更に伴うものであり、気流の上流側で生み出されたパフォーマンス上のメリットを活かすモノであると考えられる。

 角田もこのアップデートにより、マシンのパフォーマンスが向上したことを実感していると、日本GPを前に語っている。それにより、走り慣れた鈴鹿で躍動できるか? 注目が集まる。