今週末に行なわれるF1日本GP。このF1日本GPは来季から春開催となるため、現実的には鈴鹿でチャンピオン決定が見られる最後の開催ということになるかもしれない。計算上では、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)のドライバーズタイトル獲得が決まる可能性は消滅したが、レッドブルのコンストラクターズタイトル獲得が、鈴鹿で決まる可能性が残っている。

 今シーズンは、開幕からレッドブルが圧倒的な強さを発揮し、第15戦イタリアGPまでの14戦全てで優勝。今季全勝も視野に入っていた。また、フェルスタッペンはマイアミGPから10連勝。早ければいずれのタイトルも、日本GPで決まる可能性があった。

 しかし先日行なわれたシンガポールGPでは、レッドブル勢が大失速。フェルスタッペンは5位、チームメイトのセルジオ・ペレスは8位に終わり、今季初めて勝利を逃した。

 これでフェルスタッペンの今季の獲得ポイントは374点、ペレスの獲得ポイントは223点……両者のポイント差は151となった。日本GP以降で獲得できる最大のポイント数は180であるため、日本GPを終えた時点でふたりの差が180以上となれば、フェルスタッペンが今季のタイトル獲得を決めることになる。しかし、同GPでフェルスタッペンが優勝+ファステストラップを記録し、ペレスが無得点だったとしても、両者の差は177までしか広がらない。つまり、日本GPでドライバーズタイトルが決まる可能性はないということになる。

 ただ、現在の状況をプロ野球のマジックナンバーになぞらえた“マジックポイント”を算出すると、フェルスタッペンのマジックポイントは55。もしペレスがこの先全勝したとしても、フェルスタッペンが2位を獲得し続ければ、アメリカGPでタイトルが決まるという計算だ。

■ドライバーズタイトル:各GP終了時点の最大獲得可能ポイント
Rd17日本GP:180
Rd18カタールGP-SP:172
Rd18カタールGP:146
Rd19アメリカGP-SP:138
Rd19アメリカGP:112
Rd20メキシコシティGP:86
Rd21サンパウロGP-SP:78
Rd21サンパウロGP:52
Rd22ラスベガスGP:26
Rd23アブダビGP:0

 一方でコンストラクターズポイントは、首位レッドブルが597ポイントで、2番手メルセデスが289ポイント……両者のポイント差は308となっている。

 カタールGP以降で獲得できる最大のコンストラクターズポイントは309。つまりレッドブルは、日本GPでメルセデスよりも1ポイント以上多く獲得すれば、この時点でタイトルが決まることになる。

 なおレッドブルがメルセデスより1ポイント多く日本GPで獲得した場合、残りのレース(F1スプリント含む)全てでレッドブルがノーポイント、メルセデスが全レースで1-2フィニッシュ+ファステストラップを記録した場合、同点でシーズンを終える可能性がある。しかし同点だった場合は、優勝回数の多い方がランキング上位になるため、メルセデスがすでに14勝を挙げているレッドブルに勝つためにはポイント数で上回るしかない。

■コンストラクターズタイトル:各GP終了時点の最大獲得可能ポイント
Rd17日本GP:309
Rd18カタールGP-SP:294
Rd18カタールGP:250
Rd19アメリカGP-SP:235
Rd19アメリカGP:191
Rd20メキシコシティGP:147
Rd21サンパウロGP-SP:132
Rd21サンパウロGP:88
Rd22ラスベガスGP:44
Rd23アブダビGP:0

 なおレッドブルの現時点でのマジックポイントを計算すると45。もしメルセデスが全戦で1-2フィニッシュとファステストラップを記録したとしても、45ポイントを獲得したところでチャンピオン獲得が決まる。その場合の最短は、カタールGPの決勝ということになる。