マクラーレン、リザーブ起用の平川亮の経験に期待。ステラ代表「トヨタが許可してくれたことに感謝」
平川は言わずとしれたトヨタのドライバー。スーパーフォーミュラやスーパーGTで活躍し、昨年からはFIA世界耐久選手権(WEC)でトヨタのハイパーカーであるGR010ハイブリッドをドライブしている。
セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレーといった強者をチームメイトに迎えた中でも存在感を発揮した平川。彼らが乗るトヨタ8号車は2022年のル・マン24時間レースを制し、平川はハイパーカーのデビューイヤーでル・マンウイナーおよびシリーズチャンピオンに輝いた。
マクラーレンは、こうした平川の活躍を注視していた様子。現状はアストンマーチンのリザーブドライバーであるストフェル・バンドーン、フェリペ・ドルゴビッチをシェアする契約を結んでいるものの、サポートドライバーを強化するために平川にオファーを出したようだ。
「マクラーレン・レーシングのサポートドライバープールをさらに強化するため、リョウをF1リザーブドライバーとして迎えられることを嬉しく思う」
そうステラ代表はコメントした。
「TOYOTA GAZOO Racingの協力により、リョウがドライビング業務と並行して新たな役割を担うことを許可してくれたことに感謝している。リョウは、ル・マンやFIA世界耐久選手権で素晴らしい成績を残している」
近年、トヨタはドライバーの参戦プログラムについて柔軟な姿勢を示している。平川と同様、WECやスーパーフォーミュラに参戦する小林可夢偉はNASCARカップシリーズに挑戦。WEC富士では宮田莉朋が代役オファーに応える形で急きょフェラーリのGTE車両に乗り、クラス3位を獲得している。また、WRC王者のカッレ・ロバンペラがフォーミュラ・ドリフトジャパンに参戦したのも記憶に新しい。
それぞれ事情は異なるものの、カテゴリーはおろか時にはメーカーも跨いでの参戦が実現しているのだ。トヨタのこうした姿勢はファンにとってだけでなく、それぞれのドライバーとしても好ましいモノだろう。
またステラ代表は、すでに平川がマクラーレン・テクノロジー・センターでシミュレータ作業を開始していると話し、今後彼の経験がチームの役に立つだろうと語った。
「我々はリョウと密に仕事をすることを楽しみにしている。彼はすでにシミュレータ作業に取り組んでいる。彼が我々の強力なドライバー陣に加わることで、彼の豊富な経験は様々な面でチームにプラスになるだろう」