シンガポールGPで今季のF1初勝利を挙げたフェラーリは、日本GPでフロアをアップデート。さらなる成功を追い求めている。

 高速コーナーと低速コーナーがバランスよく配合されている鈴鹿サーキットは、F1マシンが最もF1らしく走るとも評されるコースであり、ダウンフォースと空気抵抗(ドラッグ)のバランス、つまり空力効率が重要となるサーキットだ。

 それだけにフェラーリを含め、ダウンフォースを維持しながらもドラッグを削減するなど、空力効率の改善を目指したアップデートを投入しているチームが多い。

 フェラーリによると、フロントフロアフェンス、フロアエッジ、ミッドフロア、ディフューザーサイドウォールが修正されており、再設計されたサイドポンツーンのアンダーカットと連動し、荷重の配分や損失のマネジメント改善を目指している。

 また、「これはマシンの効率向上にもつながる」とチームは説明している。

 フェラーリは今回フロアに手を加えるだけでなく、イギリスGPで使用したのと同じ低ドラッグのビームウイング構成とリヤウイングのメインプレーンセッティングを採用している。

マクラーレンMCL60のリヤウイング

 ドラッグの低減を目指しているのはフェラーリだけでない。マクラーレンも新しいビームウイングを日本に持ち込んでいる。

 アッパーとロワエレメントの形状を変更したことで、荷重とドラッグが軽減され、鈴鹿サーキットのニーズに適している。

 マクラーレンはまた、サイドポンツーンに開口部を追加し、局所的な気流を改善、さらに冷却性能も高めている。

アルファタウリAT04のリヤウイング

 アルファタウリは、シンガポールGPに持ち込んだ大幅なアップグレードパッケージをベースに、今週末の日本GPに向けてさらなる変更を加えた。

 リヤウイングのエンドプレート接合部に手を加え、パッケージ全体の効率を向上させたのだ。

 また繰り返し行なわれるという実験の一環として、アウトボードミラーステムから3つのターニングベーンを取り除いた。この変更はドラッグを減らすだけでなく、フロントタイヤが生むアウトウォッシュのコントロールにも影響する。

メルセデスW14のリヤウイングエンドプレート

 メルセデスはリヤウイングに小さな変更を加え、リヤエンドプレートの外側にウイング形状の起伏を追加した。

 メルセデスは公式発表の中で、「この羽根は小さな渦を発生させ、それによって局所的なダウンフォースとドラッグをわずかに発生させる」と説明している。

 アストンマーチンは、鈴鹿サーキットの冷却要件に適した小型のフロントブレーキダクトを導入した。