アルファタウリF1代表、2023年の角田裕毅は「常にチームメイトより速かった」来季契約獲得の要因に
この発表を前に、同チームの代表を務めるフランツ・トストは今年の角田について、チームメイトにほとんど負けたことがなかったと語っていた。
今回、角田は契約延長を掴んだことで、来季でF1参戦&アルファタウリ在籍4年目を迎えることとなる。一方で8度のF1ウィナーであるダニエル・リカルドは、成績不振によって解雇されたニック・デ・フリーズの後任としてハンガリーGPからF1復帰を果たしたものの、復帰3戦目となるオランダGPで左手を骨折。リザーブ・ドライバーのリアム・ローソンが代役としてステアリングを握ることになり、今週末の日本GPでもドライブしている。
ただ、アルファタウリの来季ラインナップが確定したことで、ローソンは2024年にレッドブルおよびアルファタウリのリザーブドライバーに”戻る”こととなる。
長年ドライバーの育成に携わってきたアルファタウリのトスト代表は、motorsport.comの取材に対して、角田とリカルド、ローソンの3名を次のように評価していた。
「今年のユウキは、ほぼ常にチームメイトより速かった」
「彼はニック・デ・フリーズよりも速かったし、ダニエル・リカルドは(角田に)かなり接近していて、ローソンは現時点でどんどん速くなっている」
「モンツァで彼は速く、(予選でも)11番手だった。シンガポールはまた別の話(接触により1周目でリタイア)だ」
トスト代表は親チームのレッドブル・レーシングに相応しいドライバーを見極める役目を負ってきた訳だが、彼が考える「速いドライバー」とはどういうモノなのだろうか? 彼に尋ねてみると次のような答えが返ってきた。
「生まれ持ったスピードがものすごく速いから彼らはスペシャルなんだ。レースに対する理解度が非常に高く、単純に他のドライバーよりも速い」
「例えば、マックス(フェルスタッペン/レッドブル)は最高のドライバーで、最高のマシンに乗っている」
「(チャンピオンシップで)勝てないドライバーに関しては、まず彼らのいる環境を知っておく必要がある。マシンはどれくらい良いのか? チームはどれくらい良いのか? とね」
「仮にマシンとチームがかなり良くて勝てないなら、そのドライバーがただ遅いというだけだ」
またトスト代表は、ドライバーの才能の有無はラップタイムで全てが分かると考えている。
「ラップタイムが全てだ」とトスト代表は言う。
「仮に同じチームで基本的に同じマシンに乗っていて、どちらかが常に遅れているということになれば、そのドライバーはただ遅く、他よりもスキルが高くないということになる」
「つまり、角田は才能溢れるドライバーということか?」と尋ねると、冒頭の答えが返ってきた。角田は厳しい目を持つトスト代表のお眼鏡に叶う”逸材”だったということだろう。