ブッダ・インターナショナル・サーキットでMotoGP第13戦インドGPのスプリントレースが行なわれた。優勝はプラマックのホルヘ・マルティンだった。

 インドGP2日目は、Moto3クラス予選の途中で大雨が降ってきたことで、セッションがディレイ。そして初開催のコースであることが考慮され、MotoGPクラスはスプリントレースの前に15分間の走行時間が追加された。

 ただ雨が降り止んでいたため、Moto3、Moto2の予選と通じて路面コンディションは大きく改善。MotoGPクラスの追加の走行時間が終わる頃には、走行ラインはほぼドライとなった。

 その後レースディレクションは、さらにスプリントレースの開始時刻を遅らせることを決定。現地時刻17時にピットレーンがオープンし、西日の差す中、路面がほぼドライとなった状況で全11周で争われるスプリントレースが幕を開けた。

 なおインドGPの初ポールシッターとなったのはVR46のマルコ・ベッツェッキ。2番手にはホルヘ・マルティン、3番手にフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)とドゥカティ勢がフロントロウを独占した。

 レースがスタートすると、マルティンが良い蹴り出しを見せてホールショットを奪った。

 ターン1は難しいコーナーだとライダーたちが事前に語っていたが、オープニングラップから多数のクラッシュが発生。ルカ・マリーニ(VR46)が挙動を乱し転倒、チームメイトのベッツェッキが巻き込まれて最後方までポジションを落とす事態になった。また後方ではポル・エスパルガロ(GASGAS)、ステファン・ブラドル(LCRホンダ)が転倒し、3人がここでレースを終えた。

 スタートダッシュを決めたマルティンは勢いよく後続に差を広げていき、3周目には1秒以上先行。2番手以下はバニャイヤ、マルク・マルケス(レプソル・ホンダ)、ジョアン・ミル(レプソル・ホンダ)、ブラッド・ビンダー(KTM)といった並びで続いた。

 4周目、ミルがターン3で転倒してしまいレースを終えることとなった。なおターン3ではその後ヨハン・ザルコ(プラマック)も転倒を喫している。

 マルティンはトップを快走し、一人旅状態。7周目には2秒以上の差をつけていたが、それ以降もなお差を広げていき、そのまま逃げ切るだけという状況に持ち込んでいった。

 マルティンと2番手のバニャイヤが逃げる中、次第に3番手争いが激しくなっていく。マルク・マルケスに対しビンダーが接近し、8周目あたりからプレッシャーをかけるようになった。

 先頭のマルティンはラストラップも余裕のマージンを残しており、ウイリーをしながらトップチェッカー。サンマリノGPから連続のスプリント勝利となった。2位はバニャイヤだ。3位はプレッシャーをかけられつつも隙を見せずに走りきったマルケス。彼にとっては開幕戦ポルトガルGP以来のスプリント表彰台だ。

 また1周目に大きくポジションを落としていたベッツェッキは、レースを通じて怒涛の追い上げを見せ、最終的に5位フィニッシュを果たしている。日本人ライダーの中上貴晶(LCRホンダ)は、13位でのフィニッシュとなった。