レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、マックス・フェルスタッペンの鈴鹿でのパフォーマンスについて、「我々は特別なモノを目にしている」と表現した。

 F1日本GPの予選Q3でフェルスタッペンは、1分28秒877を記録。2番手のオスカー・ピアストリ(マクラーレン)に0.581秒もの大差をつける、圧倒的な速さでポールポジションを獲得した。前回のシンガポールGPでは大苦戦し、Q3に進出することすらできなかったフェルスタッペンとレッドブルが、素晴らしいリカバリーを見せた格好だ。

 今回のフェルスタッペンの予選でのパフォーマンスについてホーナー代表は、特別なモノだと語った。

「正直に言って、我々は実に特別なモノを目撃したんだ」

「マックスは完全に別のリーグにいた。最後のアタックのリプレイを見られるなら、ターン5と6……第1セクター(S字から逆バンク)を見てみることをおすすめする。本当に素晴らしい走りだった。彼には脱帽だ」

 フェルスタッペンはただひとり1分28秒台で走ったわけだが、これは担当エンジニアのジャンピエロ・ランビアーゼ(GP)がフェルスタッペンにハッパをかけたこととも無関係ではないとホーナー代表は明かす。

「GPは『28秒台を出してみようぜ!』と言って、最後のアタックに向けて彼を挑発したんだ。それを聞いて私は『タイヤが4つしっかりついたマシンが見たいんだ(つまりクラッシュして欲しくないという意味)』とGPに言ったんだ」

「最後のアタックは、十分に速いように見えた。そして、彼はさらに速く走った」

「彼のアタックは、どれも素晴らしいモノだった。彼はQ1で新品タイヤを使い、3周走った。その使用済みのタイヤでQ2のアタックに挑み、2番手タイムを記録した。本当に驚くべきパフォーマンスだった」

 前述のようにシンガポールでは大苦戦したレッドブル。その原因はまだ完全には理解できていないと、ホーナー代表は明かす。

「全てのことをお答えできればいいと思うが、なぜシンガポールが我々にとって異常だったのか、完全に理解できているとは考えていない」

「しかし、我々はそこからいくつかのことを学んだ。一方で我々のマシンは、今回の(鈴鹿の)ようなタイプのサーキットでは、1年を通じてずっと速かったんだ」

「特に、マシンにとってもドライバーにとっても限界ギリギリの最初のセクターだ。素晴らしい走りだったね」

 驚異の走りを見せたフェルスタッペンに対し、チームメイトのセルジオ・ペレスは、0.7秒遅れの5番手に終わった。これについて尋ねられたホーナー代表は、強力なレースペースを持っているため、決勝では挽回してくるだろうと語った。

「高速コーナーにおいて彼(ペレス)は、マックスと比較してわずかに下回っているが、それでもその差は僅差だ。ただマックスは、そのターゲットを常に引き上げている」

 そうホーナー代表は言う。

「しかしチェコ(ペレスの愛称)は5番グリッド。レースペースは強力なはずだ。金曜日にそれを確認できているので、レースでは問題ないと思う」

 レッドブルは今回の日本GPで、メルセデスよりも1ポイント多く獲得し、フェラーリに24ポイント以上差を詰められなければ、2023年のコンストラクターズタイトル獲得が決まる。2年連続の栄冠を、圧倒的な速さで達成することになるのだろうか?