今季、アルファタウリから初のF1フル参戦を果たしながらもシーズン途中で解雇となったニック・デ・フリーズ。彼は来季からフォーミュラEに復帰し、エドアルド・モルタラとコンビを組んでマヒンドラから出走することとなった。

 2019年にFIA F2でチャンピオンを獲得した後、メルセデスからフォーミュラEへ参戦したデ・フリーズは2020-21年シーズンに世界タイトルを獲得。2022年にはアレクサンダー・アルボンの代役としてイタリアGPでウイリアムズからF1デビューを飾った。

 デ・フリーズは初陣ながらも決勝では9位入賞を果たし、それが今年のアルファタウリでのF1レギュラーシート獲得に繋がった。

 経験豊富な即戦力として期待されたデ・フリーズだったが、チームメイトで若い角田裕毅に太刀打ちできず。ハンガリーGPを前にシートをダニエル・リカルドに奪われる形となった。

 デ・フリーズはフォーミュラEに2023-24年シーズンから復帰を果たすこととなるが、所属先となるマヒンドラは昨年、表彰台わずか1回、チームランキング10位と厳しい1年を過ごした。

 しかしデ・フリーズは、マヒンドラの長期的なビジョンに勇気づけられているという。

「ある意味、故郷に戻ってきたような気分だ。フォーミュラEは僕にとっても、とても馴染み深い環境だし、チャンピオンシップでおなじみの顔ぶれ、チーム、ドライバー全てを見ることができるから、慣れ親しんだ環境に戻ってこれて嬉しいよ」

 motorsport.comに対して、デ・フリーズはそう語った。

「Gen3時代、マヒンドラが荒れたスタートとなったことは周知の事実だと思う。昨年を通して進歩の兆しが見られたと思う。進歩は必ずしも結果だけで測れるモノじゃないけどね」

「しかし、僕は特に彼らの将来的なプランや、やがて行なわれるであろう変化、彼らが行なった採用活動にワクワクを覚えた」

「グリッドの上位に進出するための計画や、チームの基礎は常に非常に強固だと思う」

「私自身は、将来がどうなるかを信じているし、前向きな励みになっている。新しいプランと変更で、僕らのプロジェクトはユニークなモノになると信じている」

 デ・フリーズはコンビを組むモルタラと共に複数年契約でマヒンドラに加入。モルタラは昨年までマセラティMSGに所属し、チームがベンチュリと呼ばれていた時代、2020-21年と2021-22年にはタイトル争いに加わった。

 マヒンドラが2023-24シーズンに向けてラインアップを一新したことにより、チームからルーカス・ディ・グラッシが離脱することとなった。2014年にシリーズが発足して以来、ディ・グラッシはフォーミュラEを主軸に戦ってきたが、2024年に向けて彼はフォーミュラEにとどまるかどうかを発表していない。

 ただスペイン・バレンシアで行なわれるプレシーズンテスト開幕は、来月10月23日に迫っている。