先日行なわれたF1メキシコシティGPでは、アルファタウリのダニエル・リカルドが、予選4番手、決勝でも7位と好走を見せた。これについてレッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、「昔のダニエルが戻ってきたようだ」とその活躍を賞賛した。

 リカルドはメキシコシティGPのフリー走行から好調な走りを見せ、予選ではパワーユニット交換で最後尾スタートが確定していたチームメイトの角田裕毅のサポートもあり、Q3に進出。そのQ3でも驚異の走りを披露し、フェラーリの2台、レッドブルのマックス・フェルスタッペンに次ぐ4番グリッドを手にした。

 決勝でも終始トップ5圏内を走ったが、メルセデスの2台やマクラーレンのランド・ノリスの先行を許し、7位でフィニッシュ。しかしこの順位は今季のアルファタウリにとっては最高位であり、このリカルドが獲得したポイントにより、それまでコンストラクターズランキング最下位だったアルファタウリは一気にランキング8番手まで浮上することになった。

 メキシコではリカルドのみならず、角田も最後尾スタートながらハイペースで走り、入賞圏内まで浮上。最終的にはオスカー・ピアストリ(マクラーレン)と接触してスピンしたことで入賞を逃したが、そのパフォーマンスは秀逸だった。

 メキシコシティは標高2200mという高地にあるため、空気の密度が低い。そのため、アルファタウリAT04のドラッギー(空気抵抗が大きい)という弱点が緩和されるため、今後もこのパフォーマンスが続くかは分からない。しかし前戦アメリカGPでも角田が8位入賞を果たしたことを考えれば、前進しているのは間違いないだろう。

 今回のリカルドの活躍について、レッドブルのホーナー代表は絶賛する。

「ダニエルの素晴らしいパフォーマンスを目にできるのは、素晴らしいことだ。夏休みを前に彼をアルファタウリに復帰させた理由が、完全に裏付けられた」

 リカルドは今季レギュラーシートを失っていたが、更迭されたニック・デ・フリーズの後任としてアルファタウリに”復帰”し、角田とコンビを組むことになった。ただオランダGPでは手首を負傷したため、その後欠場。先日のアメリカGPで復帰したばかりだった。

「アルファタウリのマシンでメルセデスと戦った彼は、傑出したパフォーマンスだった。赤旗中断がなければ、もっと上位でフィニッシュしていただろう」

「今回の素晴らしいパフォーマンスは、確かに昔のダニエルのようだった」

 ホーナー代表は、今のリカルドは非常にリラックスしてグランプリに臨むことができていると語る。

「彼はリラックスしており、自信を持っている。難しいレースになったアメリカGPの後、彼は完全にモチベーションを取り戻して、この週末に臨んだ」

「マックス(フェルスタッペン)とのペースの差にも注目して欲しい。彼は、マックスとの差は0.1秒未満だった。彼のパフォーマンスは素晴らしいモノだった」

 なおリカルドには、不振が続くセルジオ・ペレスに代わり、レッドブル復帰を果たすのではないかという噂が絶えない。しかも今回リカルドが大活躍したレースで、ペレスはスタート直後に接触してリタイア……その噂に輪をかけた。

 しかしホーナー代表は、この噂を否定。ペレスとの契約は来年も残っていると改めて語った。

「チェコ(ペレスの愛称)は来年について、我々と合意に達している。それが我々が意図しているところだ、彼は2024年も我々のマシンに乗るよ」

 ホーナー代表は慎重に言葉を選んでそう語った。

「我々は、彼がランキング2位でシーズンを確実に終えられるよう、全力でサポートする。しかし、彼が2位で終われなければシートを失うという前提条件はない」