インテルラゴス・サーキットで開催されているF1サンパウロGPは、初日の予選で天候が急変し大雨に見舞われた。メルセデスのトト・ウルフ代表はこの天候の変化に対する対応が適切ではなかったため、チャンスを逃してしまったと考えている。

 サンパウロGPはスプリントフォーマットで行なわれているため、初日にFP1と予選が実施された。そして予選ではQ3にかけて雨雲が接近してくる状況で走行が開始された。

 雨が本降りになる前にアタックを行なうことが良いグリッドを確保するために重要であることを、各チームが認識していた。そしてメルセデスはルイス・ハミルトンとジョージ・ラッセルを早めにピットレーン出口へと並ばせた。

 ただ彼らはタイヤを適切な作動温度領域に入れるチャンスを活用できなかった。前に位置していたアストンマーチン勢がアウトラップでタイヤの熱入れをハードに行なう一方、メルセデス勢はより慎重なアプローチをとっていた。

 また最終的にポールポジションを獲得したマックス・フェルスタッペン(レッドブル)はピット出口までの間にラッセルを追い抜いていくなど、アウトラップで攻める必要を認識していたようだった。

 そしてアタックが1度行なわれた後は天候悪化で予選が赤旗終了となり、メルセデスはハミルトンが5番手、ラッセルが6番手という結果に終わった。ウルフ代表はこのコンディションの予選ではポールポジションから8番手までどの位置も可能性があったと考えているが、メルセデスは状況の劇的な変化に適応できていなかったと悔しさをにじませた。

「アウトラップと気温の点で、違いがどれほど少ないものだったのかは見ていて分かるだろう。そして我々は、十分に適応できていなかったと思う」

 ウルフ代表はSky SportsF1にそう語った。

「アストンマーチンは嵐のように去っていき、温かいタイヤを履いてガレージから出てきたマックスも猛然と走り出していたが、彼らが上位のクルマとなった」

「我々は最速タイムから0.8秒、1秒遅れになった。これは我々がしなくてはならなかったことが何なのかを示している」

 メルセデスのトラックサイドエンジニアリングディレクターであるアンドリュー・ショブリンは、ピットレーンに並ぶという選択は正しかったものの、タイヤ温度の要因から大きく影響を受けてしまったと語っている。

「最後の走行になると思われたため、我々はガレージから早く出してピットレーン出口に並ばせた」

「集団の先頭につけることは明らかに正しかった。しかし我々はグリーンライトを待つためにタイヤ温度を失いすぎていた。そのためラップの開始時に良いグリップが持てなかった。そして、雨によってコースが湿り始めていたことを考えると、特にツケを支払うことになった」

 なお予選を5番手で終えたハミルトンは、ポールシッターのフェルスタッペンとの約0.8秒のタイム差が、実際のメルセデスとレッドブルのペース差を示しているわけではないとも語っている。

「5番手というのは素晴らしい位置では無い」とハミルトンは言う。

「だけど、僕はできるだけのベストを尽くした。より良いレースができるといいんだけどね」

「マシンはまともなペースがあることを示していた。でも僕らは先頭のライバル達とはコンマ数秒の差がある」

「でも僕は終盤のコンディションのせいもあって、(本来よりも)僕たちが後退しているのではないかと思っている。断言するのは難しいけどね」