F1にタイヤを供給するピレリは、2025年に向けて近いうちにF1やチームと協力して詳細な分析を行ない、新しいコンセプトの研究を開始するようだ。

 ピレリは2022年、レギュレーション変更に伴い新たなサイズのタイヤを設計したが、その後の空力開発によって気流が変わったことで、タイヤがオーバーヒートしやすくなったという不満の声がチームから上がっている。

 F1側からは1ストップではなく、複数回のピットストップを要するようなレースを実現するタイヤを求められている。現状、それを実現するためにはデグラデーション(性能劣化)が激しいタイヤが必要だろう。

 しかしすでにドライバーたちからはスティントを通じてプッシュできないタイヤに不満が集まっており、ピレリは板挟みの状態となっていると言える。

 直近のサンパウロGPでタイヤの問題は特に顕著だった。多くのマシンがタイヤマネジメントに苦労し、ドライブできないほど酷いとコメントしていたのだ。

 そのため、少なくとも2027年までF1にタイヤを供給することになっているピレリは、新しいタイヤコンセプトの研究に着手することになったようだ。

 ピレリのモータースポーツ責任者であるマリオ・イゾラは、motorsport.comを含む一部メディアに次のように語った。

「高いデグラデーションがなければ、2ストップレースを狙う理由はない」

「サーキットでのアクションのほとんどはタイヤのデグラデーションによるものであり、タイヤのデグラデーションをどう管理するか次第だと私は考えている」

「もしそれを減らせば、トレイン状態が生まれるリスクになると確信している。ドライバーによってタイヤが違うわけではないから、誰かがプッシュできるなら他のドライバーもプッシュできるからだ」

「もっとプッシュがしたいから、タイヤのデグラデーションが大きいことに文句を言うドライバーの気持ちも分かる」

 イゾラはピレリが”今後数週間”でこの問題に関する具体的な分析を開始することを明らかにした。

「我々が理解したいのは、コース上でのアクションをどう改善し、デグラデーションを減らすかだ。これは我々にできることだ」

「デグラデーションのレベルが異なるタイヤを設計し、将来的にはその選択肢を検討することもできる。しかし、それが意図しない結果をもたらすかどうかを理解することが重要だ」

 motorsport.comの調べによると、ピレリはF1やチームと協力して調査を行なう予定だという。ピレリが独自に開発した戦略予測用のシミュレータツールでは、トラフィックによる影響を考慮していないためだ。

 2024年のタイヤ構造とコンパウンドはすでにほぼ決定され、固定されているため、変更があったとしても新タイヤのグランプリデビューは2025年になってからとなる。 

「将来のためにも、このような目標を事前に明確にしておくことは重要だ」

 そうイゾラは付け加えた。

「アドバイスやドライバーからのコメントを考慮しながら、このスポーツにとって何が良いのかを理解する必要がある」