2023年シーズンのスーパーGT最終戦となったもてぎラウンドでGT300のトップチェッカーを受けたのは、88号車JLOC ランボルギーニ GT3の小暮卓史、元嶋佑弥組だった。JLOCにとっては、2019年の富士500マイルでの87号車T-DASH ランボルギーニ GT3以来の優勝、そして小暮にとってはGT300初、元嶋にとってはスーパーGT初の優勝と、記録に残る勝利となった。

 52号車埼玉トヨペットGB GR Supra GTと2号車muta Racing GR86 GTによるタイトル争いが繰り広げられていたGT300クラスは、逆転に向けポール・トゥ・ウインが絶対条件となっていた2号車mutaの速さに最終戦の初日から注目が集まっていた。しかし練習走行、予選と2号車がトップタイムをマークする中で、88号車もそれに次ぐ2番手につけていた。そしてレースで88号車は直接対決で2号車の前に出ると、そのまま危なげなくトップでフィニッシュした。

 88号車は今季第4戦富士から、ウラカンGT3を“Evo2”のパッケージにアップデート。このタイミングでのアップデートとなったのは、第3戦鈴鹿のクラッシュで87号車Bamboo Airways ランボルギーニ GT3が全損となってしまったという側面も大きいようだ。小暮はこのアップデートにより、ダウンフォースとエンジンの中間レスポンスが向上しているとして、「従来の特性を残しつつも、よりレーシングカーっぽい動きをしている」と評していた。

 そしてEvo2のデビューレースとなった第4戦富士で88号車は予選4番手を獲得。その後はBoPが88号車ほど厳しくない87号車が先行するようなレースもあったが、最終戦で会心の走りを見せた形だ。

 元嶋はウラカンEvo2と共に戦った5レースを振り返り、マシンのポテンシャルの高さは当初から感じていたと話した。

「ウラカンEvo2投入の話は今年の頭からありましたが、新しいクルマは色々とトラブルも出るので、結構慎重になっていました」

「そういう中で、鈴鹿で大きなクラッシュが起きました。最初は正直、ウラカンEvo2を“投入せざるを得なくなった”、という部分がありました」

「物流を待っていた中でウラカンEvo2が届き、シェイクダウンも十分にできないくらいタイトなスケジュールの中でメカニックの皆さんが必死に作ってくれて、最初の富士を戦いました。いわゆる“吊るし”の状態でした。メカニックがただ1回組んだだけでデータも何もない中、スーパーGTのタイヤを初めて装着しましたが、いきなりトップ争いができて『このクルマのポテンシャルはすごいな』と思いました」

「ただ、やはり前のモデルと比べてもストレートスピードで悩んでいたり、空力がシビアだったりと上手く扱えなくて悩んでいました」

 そんな中で最終戦に88号車が高いパフォーマンスを見せられた要因について元嶋は、「大きな引き出しが開いた」と表現した。そして本国イタリアのスタッフからは、今後に期待を持てるような言葉もかけられているという。

「シーズン後半には成熟してきて、特に前回のレースから本国のエンジニアさんが来てくれて、僕らにすごく協力してくれました。今回に関しては、やっとウラカンEvo2の引き出しをひとつずつ開けていく中で、大きな引き出しが開いたという感じです」

「本国のエンジニアさんたちは『まだまだこれから。ファーストステップだ』と言ってくれているので、個人的にはこれからのウラカンEvo2に期待しています」