F1を統括するFIAは、シリーズとしてのF1の戦略および改善を支援するため、元F1ジャーナリストのディーター・レンケンをF1コミッショナーとして任命した。レンケンは即座に同職に就くことになる。

 F1は、シリーズをFIAが統括し、商業権をFOM(フォーミュラ・ワン・マネジメント)が取り仕切っている。レンケンは今回FIAのF1コミッショナーに就任し、F1の計画の策定や改善をサポートする職務を担うことになる。レンケンが就任するF1コミッショナーは、FIAのモハメド・ベン・スレイエム会長直属の役職ということとなるようだ。

 またレンケンは、F1の運営に関する取り決めであるコンコルド協定の枠組みを巡る議論にも協力する予定で、2026年に改訂版が発効する予定の次期コンコルド協定にも関与する見込みだ。

 FIAにF1専任のコミッショナーを置くというアイデアは、過去にも何度か議論されてきたもので、ジャン・トッドがFIA会長に就任した際のマニフェストのひとつでもあった。

 しかしトッドは会長に就任した後、非営利団体であるFIAには、最適な候補者に十分な費用を支払う余裕がないため、適切な候補者を見つけるのは不可能だと判断した。

 トッドは当時、次のように語っていた。

「我々は、時間とその能力を、ほぼ無償で提供してくれる人物を見つける必要がある」

「それは選択を難しくする条件だが、我々はかなり良い段階にいる。私としては、急いでそのポジションを埋めるよりも、数ヵ月待ってでも希望する人材を見つけられる方がいいと思う」

 最終的にトッドは、当時のF1最高責任者であったバーニー・エクレストンがF1コミッションの運営に非常に協力的であったため、コミッショナーは必要ないと判断。その考え方を完全に放棄した。

 しかしトッドの後任としてFIA会長を務めるベン・スレイエムは先月、コンコルド協定の交渉を主導する人たちへの信頼を表明するとともに、自身の周りでより多くの人員を動員する必要性について語った。

「これはワンマンショーではない」

 そうベン・スレイエム会長は語った。

「私はいつも、我々のチームに任せる。半年前に尋ねられていたら、交渉するのに十分に優れたチームが存在しないと、私は答えただろう」

「我々には優れたシングルシーターの技術部門があり、そこには必要なすべてが備わっている。しかし交渉となると、それは技術者の仕事ではない。技術者は、リストリクターや音、そしてPUなどについては話すが、商業的な側面はない」

「でも今では我々には交渉のための良いチームができた。なので始動するにはいいタイミングだ」

「新しいコンコルド協定は、FIA、FOM、そして10チームという利害関係者全員にとって、公平なモノでなければならない」