アストンマーチンF1はマシン開発の一環として、来シーズンに向けて開発されたコンポーネントをリバースエンジニアリングし、現行マシンのAMR23に搭載してテストをするという手法をここ数ヵ月続けてきた。ただその”実験”を少々やりすぎてしまったようだ。

 アストンマーチンは今季、開幕8戦中6戦で表彰台を獲得して絶好のスタートを切ったものの、シーズン中盤からチームの勢いはどこへやら。成績が落ち込んでしまい、予選Q1でノックアウトされる姿も見られるようになった。

 先日のアメリカGPとメキシコシティGPの週末には、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールが使用するフロアの仕様を新旧に分け、実戦的な比較テストを実施した。しかしその結果、この2戦でチームはわずか6ポイントしか獲得できずに終わった。

 実験を終え、迎えたサンパウロGPではアロンソが久々の表彰台を獲得したが、彼はこの実験が苦痛だったと認めている。

「僕たちは自分たちの方向性と、来季のマシン開発でどこに向かうのかを本当に理解するために、マシンのいくつかの部分で少し実験をしなければならなかった」

 そうアロンソは振り返った。

「実験をしていたレースは苦痛だった。特にメキシコだ。チームとしてとても遅かったと思う」

 シーズンラスト2戦となるラスベガスGPとアブダビGPを前に、アストンマーチンのパフォーマンス・ディレクターであるトム・マッカローも、チームが公の場で多くの研究開発を行なったことは間違いだったと認めている。

「これからの数レースは、サーキットで皆さんの前で多くの研究開発プロジェクトを行なうよりも、できる限り多くのポイントを獲得することに集中している」

「我々は来季に向けて、大規模なテストとマシンに対する理解を深めることに集中していた。それは完了し多くのデータを得ることができた」

「特にスプリントのイベント(アメリカGP)の最中に研究開発を行なうのは大変だ。(マシンの仕様を変更するために)ピットレーンからスタートするようなことはしたくない」

「いくつかのパーツを導入し、テストも行なった。みなさんの前で、しかも2回のレースウイークに渡って研究開発を行なうのは、やりすぎだった。今にして思えば、それは正しいことではなかったのかもしれない」

「でも、来年に向けて鍵となるマシンの開発方法について、いい理解ができたことには満足している」

 チーム代表であるマイク・クラックは、”結果を犠牲にした”としながらも、それは外的要因によって決めた動きではなかったと付け加えた。

 アストンマーチンはアップデートで躍進を遂げたマクラーレンにアメリカGPで逆転され、コンストラクターズランキング5番手となっている。

「これは外の世界の話ではなく、自分たちの話だ。来年のためにできるだけ多くのことを学びたかった。でも当然ながら、それは結果を少し犠牲にすることになる……」

「様々なパーツを組み合わせるんだ。クルマはとても複雑で、様々な領域を理解し、それがどのように相互作用しているか知る必要があるんだ」