41年ぶりに復活するラスベガスでのF1。ハースF1はここで、ニコ・ヒュルケンベルグとケビン・マグヌッセンのマシンパッケージをそれぞれ分けることとなった。

 ラスベガスGPではヒュルケンベルグが旧パッケージ、マグヌッセンが新パッケージのマシンを使用する。

 ハースは3レース前のアメリカGPで大型アップデートをマシンに投入し、これまでとは異なる方向性に活路を見出した。予選では中団の堅実なポジションを獲得できているものの、決勝では依然としてタイヤデグラデーション(性能劣化)が大きく、ズルズルとポジションを落とす状況は続いている。

 そうした状況から、チームはドライバーが快適に思えるマシンパッケージを提供することにした。

「ニコは旧パッケージの方が自分に合っていると感じていて、ケビンはその反対なんだ」

 ラスベガスGPで両パッケージを走らせるという決定について、チーム代表のギュンター・シュタイナーはそう語った。

「彼らの望むものを与えた。まだ2レースあるし、失うモノは何もない。だからできる限りトライするのだ」

「データ収集について議論することもできたが、十分なデータは得られた。この決定は何よりも、それぞれのドライバーが何を好むか次第。彼らが手にしたクルマで可能な限り満足できるようにするのだ」

 また、ラスベガスGPの市街地サーキットは初のレース開催で各チームデータがない上、ナイトレースのため最低気温がかなり低いことが予想されている。

 こうした課題について、シュタイナー代表は次のように語った。

「誰もが知っている通り、気温が低いことはチャレンジになる。タイヤの温度を常に温かく保つ必要があるが、舗装によるところも大きい」

「路面温度とアスファルトの粗さの組み合わせだが、デグラデーションがブラジルよりも悪くなることはないと思う。木曜日のプラクティスで、路面、コース、温度を把握し、それからもっと多くを理解することになる」

 そしてシュタイナー代表は、ハースが苦しめられてきたタイヤデグラデーションは、過度のスライドから来るタイヤ表面のオーバーヒートが原因にあると指摘。来る2024年に向けて解決しなければならない問題だと強調した。

「何が上手く機能していないのかは分かってきているが、我々はそれを解決する必要があると思う」

 シュタイナー代表はサンパウロGP終了後、motorsport.comにそう語った。

「空力に関して必要なことは分かっているが、解決する必要があるというのは明らかだ」

「風洞では正しい方向に進んでいると思う。来年に向けて、この問題を解決し、タイヤの冷却やその他諸々について学んでいきたい」

「現時点で、カーカスの温度については大きな問題ではない。問題はスライドと表面のオーバーヒートだ」

「少しずつ学んでいくモノだが、学び続けるだけではいられない。正直、結果が必要だ。マシンがきちんと機能しないから、少なくとも我々は色々とやっているがね」

 シュタイナーはアップデート後3戦目となるサンパウロGPでもタイヤの問題がはっきりと残っていたと明言した。

 決勝レースでは、スタートの多重クラッシュでマグヌッセンがリタイア。このクラッシュによってヒュルケンベルグもマシンにダメージを負ったものの、赤旗中断中に修復し、リスタート後に同じ周回遅れの1台を抜いて12位フィニッシュとなった。

「ニコはとても苦労していた」とシュタイナー代表は言う。

「全てはマネジメントだ。レースじゃない。これは1年を通して見られてきたパターンで、リヤだけではなく4輪全てに問題が起きていた。デグラデーションが大きくて、長持ちさせることができないんだ」

「メルセデスを見てほしい。マシンは良い時もあれば、悪い時もあるだろう? アストンマーチンは良かったが、フェラーリにも同様にデグラデーションが起きていた」