レッドブルはF1最終戦アブダビGPのフリー走行1回目で、フォーミュラEチャンピオンのジェイク・デニスと、F2参戦中のアイザック・ハジャーを起用する予定だ。同チームのチーフエンジニアであるポール・モナハンによれば、このことはチームに良い教訓をもたらす可能性があるという。

 全F1チームは、年間を通じて最低1回ずつ、2台のマシンにF1決勝に参戦した経験が2戦以下のドライバーを乗せることが義務付けられている。

 現在この義務を消化していないチームは、アブダビGPのFP1でルーキードライバーを起用することになる。中でもレッドブルは、この義務を両方のマシンで消化していない唯一のチームということになるため、レギュラードライバーのマックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレスが、揃ってルーキーにマシンを明け渡すことになる。

 アブダビのFP1でレッドブルのマシンを走らせるのは、今季のフォーミュラE王者であるデニスとハジャー。デニスはフォーミュラEへの参戦と並行してレッドブルのシミュレータ・ドライバーを務めており、今回実際のマシンを走らせるという重責を担うことになった。また、メキシコシティGPでアルファタウリのマシンを走らせたハジャーも、もう1台のマシンを走らせることになる。

 一度に2名のルーキーを走らせることになるが、これはチームにとって良い教訓になるとレッドブル側は考えている。

「別のドライバーをマシンに乗せると、物事に対する違った視点を得られるので、実に興味深いね」

 motorsport.comにそう語ったのは、レッドブルのチーフエンジニアであるポール・モナハンである。

「彼らは走りを異なる形で示し、フィードバックし、異なる言葉を用いる。そういうことは時に、問題に対する様々な見方を我々に教えてくれる」

「マックスのフィードバックはとてもしっかりしているし、チェコ(ペレスのこと)も自分の好き嫌いをハッキリ言うという点でとても良く似ている。しかしジェイクが、別の解釈を加えてくれるかもしれない」

「彼がただ『僕はこう感じる』と言っただけでも、物事の別の見方が開かれる。つまりマシンに別のドライバーが乗り込むことは全て、我々にとって何かを学ぶチャンスだ。ジェイクはそのプロセスに大きく貢献してくれる」

 デニスは2018年にも、レッドブルのマシンを駆ってテストに参加。最新のF1マシンに乗るのは、今回が5年ぶりのこととなる。今回のドライブすることは、今後シミュレータ作業を行なうに当たっても役立つことになるだろう。

「我々は必要なシミュレーション作業を全て行なえるようになっている」

 そうモナハンは語った。

「しかしシミュレータがF3マシンの設定になっていて、それでシミュレーションを行なっていたとすると、その相関関係が最高だとは限らない」

「プロセスが改良されることについては歓迎する。それは、我々が行なっていることの基礎なのだ」

 ルーキードライバーが走行することで、レギュラードライバーの走行時間が失われることになる。しかしモナハンは、アブダビGPのFP1はまだ日が落ちていない時間帯に行なわれるため、コンディションが大きく異なる夜間に行なわれる予選や決勝に大きな影響が及ぶことはないと主張する。

「シーズンがどうなるか分からなかったので、(ルーキードライバーの起用を)ここまで延期することにした。レースドライバーのチャンスを最大限に確保するように務め、ふたりの若手を走らせるつもりだ」

「時間帯、気温や路面温度という観点でFP1を見ると、予選やレースの参考になるものではない」

「レースドライバーが、コースに慣れるための時間が1時間奪われてしまうと言う人もいるだろう。週末のフリー走行がFP1だけならば、かなりの影響になるかもしれない」

「確かに1時間走る時間を逃すことにはなるが、レースに向けて準備する上では通常、FP1よりもFP2の方が有益なのだ」