フェラーリのカルロス・サインツJr.は、F1ラスベガスGPのFP1でトラブルに見舞われてしまった。F1マシンの走行により、固定が甘くなったコース上にある給水バルブの蓋が外れてマシンに接触。大きなダメージを負ったのだ。

 チームはスペアモノコックを使ってマシンを作り直し、パワーユニットの一部コンポーネントとギヤボックスを交換しなければならなかった。

 サインツJr.にとってさらに不運だったのは、破損したパーツのひとつがエナジーストア(バッテリー)だったことだ。今回の事故によりサインツJr.はシーズン3基目のエナジーストアを投入せざるを得なかったため、決勝レースでの10グリッド降格ペナルティを受けたのだ。

 フェラーリのフレデリック・バスール代表は、ダメージが不可抗力によるものだと主張し、スチュワードにペナルティ回避を求めたが、これが実を結ぶことはなかった。

「もちろん、私はスチュワードのところに行き、彼らと話し合った」

 そうバスールは語った。

「我々にとっては奇妙な感覚だよ。なぜならまず第一に、自分たちが悪いことをしたとは思っていないからだ」

「我々はこの件で大きな代償を払わなければならない。そのうえ、チャンピオンシップを争っているときにペナルティを科されてしまった。10グリッド降格は大打撃だ」

「でも、そのことを考えないようにして、カムバックできるような仕事をしなければならない。ペースは良いし、予選に集中して、良いレースをしなければならない。これについて議論している時間はない」

 他のチームから、サインツJr.をサポートする声はあったかという質問に、バスールは次のように答えている。

「こうすることを許可する、ああすることを許可するとチームが決めることはあり得ないと思う。もし明日、誰かが別の方向にプッシュしたら、それはまた別の話だ」

 サインツJr.とエステバン・オコン(アルピーヌ)は、今回の件によるダメージでシャシー交換を強いられた。本来、シャシー交換をしたマシンは翌日まで走行できないというルールになっているが、ラスベガスGPがナイトレースだったことから、このルールは回避できた。

「それも素晴らしいジョークだった」と、バスールは話した。

「日中にシャシーを交換(して走行)することは許されていない。でも、真夜中を過ぎたら、それはもう同じ日ではないってことなんだ!」

 バスールは、FP2の開始が2時間半ディレイしたことで、マシンの修復が間に合ったと語った。

「我々はこの件で、記録を作ろうとしているわけじゃない」

「しかし、確かに大きかった。シャシーやエンジン、バッテリー、ギヤボックスを交換し、新しいものを作り上げなければならなかったからね。メカニックたちはよくやってくれた」

 フェラーリはシャルル・ルクレールがFP2でトップタイムをマーク。サインツJr.も2番手につけており、好調な滑り出しとなった。しかしバスール代表は慎重な姿勢を崩していない。

「モナコやバクーのように、長い週末になることはわかっている。我々は週末を通じてパフォーマンスを積み上げていかなければならないんだ」

「フリー走行で速いことだけが重要なわけではないが、速いに越したことはない」

「グレイニング(ささくれ摩耗)が起きる可能性があることは分かっているが、今のところは良さそうだ。通常のコースよりも路面はずっと良くなっていくだろうから、土曜日の路面状況を予測する必要がある」