F1ラスベガスGPを制したのは、レッドブルのマックス・フェルスタッペンだった。予選ではフェラーリに匹敵するようなパフォーマンスを見せられなかったものの、2番グリッドからスタートした決勝では、途中ペナルティを受けるもコース上でライバルを抜き去って勝利を飾った。

 まずレース展開を左右したのは、スタートでの攻防であった。ポールポジションのシャルル・ルクレール(フェラーリ)のインに飛び込んだフェルスタッペンだったが、コーナーのエイペックスを外れ、アウト側のルクレールをコース外に押し出すような形でトップに立った。これでフェルスタッペンは5秒のタイムペナルティを受けることになるが、彼は当時の状況をこう振り返った。

「スタートで前に出ようとしたけど、僕たちはふたり共ブレーキが遅すぎたと思う」

「それでグリップを失ってしまって、少しワイドに膨らんだんだ。だからスチュワードが僕にペナルティを出した」

 その後トップで走行を続けたフェルスタッペンは、ルクレールにオーバーテイクを許した16周目にピットイン。タイヤを交換してペナルティも消化した。これによりジョージ・ラッセル(メルセデス)らの後ろに下がることになったが、25周目にラッセルにオーバーテイクを仕掛けた際に接触。この時マシンからパーツが飛び散ったが、大きな影響はなかった様子で、「理想的とは言えなかったけど、マシン自体はずっと少しアンダーステアだったからね」と振り返った。

 この接触によって落ちたパーツを回収するためセーフティカーが出されたが、ここでフェルスタッペンは再びピットインしてフレッシュタイヤに交換した。そしてレース再開時には5番手となっていたが、ライバルを次々と攻略していき、37周目にはルクレールを交わしてトップに立ち、優勝を飾った。

 今回のグランプリでは、ロングストレートである“ストリップ”のストレートエンドで数々のバトルが見られたが、フェルスタッペンもそこで何度もオーバーテイクを見せ、ポジションを上げていった。フェルスタッペンは今回のレースウィークを通じ、過度にショーアップされたラスベガスGPに批判的な態度を見せており、「99%がショーで、スポーツの要素は1%しかない」とまで語っていたが、実際レースはかなり楽しめたようだ。

「それで僕たちは後ろに下がることになったから、コース上で何台かを抜く必要があった」とフェルスタッペンは言う。

「彼ら(ルクレールやチームメイトのセルジオ・ペレス)とバトルをするためには何台かをパスする必要があった。でもここではDRSがかなり強力だから、リードされていても、DRS圏内に入っていれば追い付くチャンスがある」

「そしてそれによって今日はとても良い争いがいくつも見られた。間違いなく楽しめたよ」

「ここの路面はタイヤのデグラデーション(性能劣化)が小さかったし、プッシュすることができて良かった。だから繰り返しになるけど、とても楽しかったよ」

 またラスベガスに詰めかけたファンへのメッセージを求められたフェルスタッペンは「みんな楽しんでくれてたらいいし、楽しんでくれたと思っている。来年またここに戻ってきて、今回のようなことができればいいなと思っている」とコメント。エキサイティングなレースができたことで、彼も多少なりとも溜飲が下がったのかもしれない。