岩佐歩夢が、来季はスーパーフォーミュラに参戦することになった。所属チームはTEAM MUGENである。

 その体制の印象について、岩佐本人に訊いた。

 岩佐は2019年の鈴鹿サーキット・レーシングスクール(SRS/現・ホンダレーシングスクール・鈴鹿)でスカラシップを獲得し、翌2020年に渡欧。フランスF4でチャンピオンに輝くと2021年にFIA F3に参戦し、2022年にFIA F2にステップアップ。2023年のアブダビ戦を迎える段階で通算5勝、12回の表彰台を獲得している(スプリントレース含む)。2023年はランキング3番手で最終ラウンドを迎えた。

 そんな岩佐は、2024年は日本に戻り、スーパーフォーミュラを戦う。所属するチームはTEAM MUGENであり、チームメイトは野尻智紀。体制としては2年連続でチームチャンピオン獲得中であり申し分ない。

 TEAM MUGENの印象について尋ねると、岩佐は次のように語った。

「まだ細かい話はしていませんが、これまでのレースを見ている限り、チームとしてまとまった、一貫性のあるパフォーマンスを発揮するチームだという印象です。全く心配していませんし、自分が入ったことで底上げというか、自分のパフォーマンスをしっかり上げられるようにしたいと思います」

 このTEAM MUGENには今季、リアム・ローソンが在籍。デビュー戦でいきなり優勝したりと大活躍で、最終的にもランキング2位でシーズンを終えた。

 そんなローソンをはじめ複数のドライバーから、F2とスーパーフォーミュラの違いを聞かされていると岩佐は明かす。

「リアムは、F2では基本的にチームとセットアップと話し合うことはなく、与えられたクルマに乗ってパフォーマンスを出していたと言っていました。しかしスーパーフォーミュラでは、マシンについてエンジニアと話し合って詰めて行かなければならず、それが大きな違いだったと言っていました」

 岩佐はそう明かす。

「でも自分としては、既にDAMSでそこについてはやりすぎなくらい学んでいるかもしれません。なので、リアムの場合とは違うかもしれませんが……スーパーフォーミュラでもそういう能力や要素が必要なのであれば、これまで得た要素をさらに伸ばすことができるかもしれないです」

「色々なことを活かすことができれば、もっと学んで、F1に向けて活かすこともできるんじゃないかと思います」

 なお来季岩佐のチームメイトとなるのは、2021年と2022年に連続でスーパーフォーミュラ王者に輝いた野尻智紀である。実は野尻は、岩佐がSRSに在籍していた時の講師を務めていたドライバー。当時はよく”いじめられた”と岩佐は語る。

「当時、僕が1セッションでも野尻さんの前の順位で終えると、次のセッションでは一気に抜かれてしまいました。本当にいつも、いじめられていたという印象なんです」

 そう岩佐は冗談混じりに語った。

「今年のリアムとの比較を見ると、予選で常にコンマ2秒からコンマ3秒くらい野尻さんの方が速かった。スクール時代の印象と変わっていないんだなと感じました。しかも野尻さんはレースでも強いのは間違いないです」

「そんな野尻さんとチームメイトになれるのは、自分のキャリアにとっても大きく成長できる可能性がある、そんな1年になると思います」

「でも野尻さんに勝てなければ、チャンピオンは獲れません。そこについては気合が入っています。それでもレースの強さなど、学べる部分はたくさんありますから、そこは学ばせていただきたいと思います」

 岩佐は12月6〜8日の「公式合同テスト及びルーキー・ドライバーテスト」で、早速スーパーフォーミュラのマシンSF23を走らせることになる。舞台は鈴鹿サーキット。鈴鹿と言えば、岩佐がスクール時代に散々走った、勝手知ったるサーキットである。

 しかし岩佐曰く、そうでもないらしい。実は先日行なわれたF1日本GPの際に、来季からスクールで使うマシン”HRS-F24”のデモランが行なわれ、そのマシンのステアリングを岩佐も握った。しかし違和感があったのだという。

「勝手知ったる……そう思っていたんですけどね、日本GPの時にスクールカーのデモランで走った時、何か違和感があったんですよ」

 そう岩佐は明かす。

「しばらく走っていないサーキットだったので、『あぁ、こんな感じだったんだなぁ』というところから始まりました」

「まずは慎重に、ひとつひとつ感覚を掴んでいきたいと思います」