2023年シーズンの閉幕から1日を空けて、MotoGPは2024年に向けた最初のテストをバレンシアで実施した。このテストで最速タイムを記録したのはマーベリック・ビニャーレス(アプリリア)だった。

 最終戦後に行なわれるポストシーズンテストは、翌年の2月に行なわれるプレシーズンテスト前に行なわれる唯一のテストだ。チームやメーカーを移籍するライダーにとっては、新しいマシンを習熟するためにも非常に貴重な機会となっている。

 7時間と長丁場のテストだが、スタート時刻の午前10時の時点での気温は10度台前半と低く、路面温度も上がっていないためライダー達もすぐには走行に向かわなかった。

 30分ほどが経過すると、VR46からレプソル・ホンダへと移籍したルカ・マリーニが先陣を切ってコースイン。2024年型のホンダ・RC213Vでの走行を重ねていき、他のライダーも徐々にコースへ入った。

 開始から1時間半ほどのタイミングで、ホルヘ・マルティン(プラマック)が転倒。このテスト最初の転倒者となった。なおマルティンはこの日午後に2度目の転倒を喫している。

 午前中の3時間の走行では大きなアクシデントは無く穏やかに進行。アプリリアのカーボンシャシー仕様のマシンなど、各メーカーのライダーが2024年型マシンのテストを重ねていった。

 ランチタイムを挟んで行なわれたテスト後半では転倒が何度か発生。前述のマルティンは午後が始まってすぐに転倒。その他、ホンダ陣営へ移籍したヨハン・ザルコ(LCRホンダ)や、ルーキーのペドロ・アコスタ(GASGAS)が気温の下がってくるセッション終盤に転倒を喫した。

 また2023年王者となったフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)やマルティンなど、残り1時間を切ると早めに撤収するライダーも現れ初めた。

 セッション終盤にはKTMのブラッド・ビンダーがアタック。自己ベストを連続で更新しようとしていたが、残り7分という終盤も終盤にクラッシュを喫してしまった。なおKTMは今回、ゼブラ塗装をした新型のカウルを装備。ジャック・ミラーがこれをしばらく走らせた。

 7時間のテストが終了し、最速タイムで2023年の走行を締めくくったのはビニャーレス。タイムは1分29秒253だった。ビニャーレスは実に86ラップと、非常に精力的に周回を重ねた。チームメイトのアレイシ・エスパルガロは骨折中の足の痛みから、午前だけでテストを切り上げている。2番手は最後に転倒したビンダー、そして3番手はマルコ・ベッツェッキ(VR46)だった。

 ホンダからドゥカティ陣営のグレシーニへの移籍で大きな注目を集めたマルク・マルケスは、最初の走り出しこそぎこちない部分もあったが、ラップごとにアジャストを進め、午後セッションでは一時的とはいえトップタイムを記録するなどテストの見せ場を作った。そしてマルケスは最終的に1分29秒424の4番手タイムをマーク。MotoGP昇格以来11年間をホンダで過ごしてきたとは思えない、好調な乗り換えを見せた。

 マルケスの去ったホンダは、空力面が一新された2024年型マシンを投入。タイムとしてはマリーニが1分29秒956で10番手となり、これがホンダ最上位だった。日本人ライダーの中上貴晶(LCRホンダ)も終盤に新型をテスト。中上は1分30秒976の21番手となった。

 同じく日本勢のヤマハはファビオ・クアルタラロの12番手タイムがトップ。ホンダからの移籍となるアレックス・リンスはまだ負傷の影響の残る中、19番手タイムを記録した。