11月29日、鈴鹿サーキットでホンダ・レーシングスクール・鈴鹿-フォーミュラ(HRS-Formula)のスカラシップ発表会が行われ、加藤大翔(16)が首席で、洞地遼大(17)が次席でスカラシップを獲得した。

 HRS(2021年までは鈴鹿サーキット・レーシングスクール=SRS)は、これまで多くのトップライダー、ドライバーを輩出してきた。近年では2016年卒業の角田裕毅がF1で活躍している。

 その角田に続けと、F1を目指す若者が2023年もHRS-Formulaを多数受講。その中の8名が3月からアドバンスクラスに進み、9月に行なわれた修了式で三重県・多気町の高校生加藤大翔(15)、愛知県名古屋市の高校生洞地遼大(17)、大阪府東大阪市の高校生山口大耀(18)、兵庫県神戸市出身東京在住の東大生新原光太郎(18)の4名がスカラシップ選考会に進んだ。そして11月29日、最終的にスカラシップ獲得者が発表された。

 この日は朝から鈴鹿サーキットの国際レーシングコースを用いて、スクール専用マシンで20分間のフリー走行を2回、予選形式の15分間の計時走行を1回、決勝レース形式の6周のセット走行を3回行った。走行したのは4人の受講生の他、スーパーフォーミュラ等に参戦中の大津弘樹と佐藤蓮、FIA-F4ドライバーの野村勇斗と森山冬星のHRS卒業生4人が加わった合計8人。3回のセット走行は1回目が計時走行のベストタイム順、2回目がセカンドベストタイム順、3回目がサードベストタイム順のスターティンググリッドでスタートした。

 計時走行でトップタイムをマークしたのは受講生の洞地。それに受講生の新原が続き、以下野村、佐藤、加藤、森山、大津、山口の順だった。ただ1位から8位までの差が0.6秒と、僅差の戦いとなった。

 セット走行1回目はスタートで新原がトップに立ち、野村、洞地を抜いて2位に上がってきた佐藤の猛追を受けながらも、首位を守ってトップチェッカーを受けた。

 セット走行2回目も洞地がポールポジション。以下スターティンググリッドは、佐藤、野村、新原、加藤、大津、山口の順だった。佐藤が洞地を抜き、野村も洞地を抜いて卒業生同士のトップ争いとなったが、洞地も最後まで先輩らに付いていき、3位でチェッカーを受けた。

 3回目は佐藤がポールポジションで2番手は野村。これに受講生の洞地、新原、加藤が続いた。今回は卒業生2人が逃げ、野村が逆転優勝。それに洞地、新原が続いでチェッカー。これでスカラシップ選考会のすべてのカリキュラムが終了した。

 その後、スカラシップの選考会議が行なわれたが、予定時刻を大きく過ぎても発表会が始まらない。約50分遅れで始まった発表会の冒頭、佐藤琢磨プリンシパルより「今年はレベルが高く、スカラシップを決めるのに大変時間がかかってしまいました」と説明した。この日は洞地や新原の活躍が目立ったが、マシンがシャッフルされる前の昨日の走行では、今回目立たなかった山口と加藤が上位争いを演じていた。今日の結果だけで判断することはできなかったのだ。

 そんなハイレベルのスカラシップ獲得争いの中、最終的に選出されたのは首席の加藤と次席の洞地。佐藤プリンシパルは「選ばれた2人は、多くの人のお陰でここまで来られたことを認識して、感謝の気持を忘れずに頑張ってほしい」と述べ、今回選ばれなかった2人には「スカラシップに選ばれなくても、充分戦える力を持っているので、これからも上を目指して頑張って欲しい」と言葉を送った。

 首席でスカラシップに選ばれた加藤は「首席でスカラシップが取れてホッとしています。でもこれからが勝負で、F1に乗ったときにその経験を活かすことができるよう、毎年厳しい戦いの中で1番を取っていき、2027年にF1ドライバーになります」とコメントした。

 次席でスカラシップに選ばれた洞地は「スクール2年目なのに、1年目の加藤選手に首席を取られて悔しいです。今後も苦しいことがたくさんあると思いますが、それに負けず、来年からは必ず1番を取って、F1チャンピオン目指して頑張ります」と語った。