12月6日(水)より、鈴鹿サーキットでスーパーフォーミュラの合同/ルーキーテストが実施される。総勢32名ものドライバーが参加するこのテストで特に注目を集めているドライバーのひとりが、2023年のFIA F2チャンピオンであるテオ・プルシェールだ。

 プルシェールはフランス出身の20歳。2020年のFIA F3でランキング2位となり17歳でF2昇格を果たすと、1年目はランキング5位、2年目はランキング2位となり、3年目の今季に待望のタイトルを獲得した。現在はザウバー育成ドライバーであり、将来のF1参戦が有力とされているドライバーのひとりだ。

 そんなプルシェールは今回のテストにITOCHU ENEX TEAM IMPULから参加し、初日、2日目と19号車を走らせる。来季のフル参戦も濃厚と言われるプルシェールだが、もし彼の参戦が実現すれば、リアム・ローソンに続き、F1候補生の外国人ドライバーが2年連続でスーパーフォーミュラで戦うということになる。

 ただ、プルシェールはレッドブルジュニアのローソンとはまた違った雰囲気をまとっているように感じられる。インタビュー中に明るい笑顔を見せながらも、その中にどこか緊張感のようなものを残しつつ、プロフェッショナルな振る舞いに終始していた印象を受けるローソンに対し、プルシェールは「僕の性格はと言うと、単純なヤツ(笑)。笑うことが好きなんだ」と屈託のない笑顔を見せる。

 今回が初めての来日で、東京観光も楽しんだというプルシェール。「僕は自分の大好きなレースをやって楽しみたい人なんだ」という彼からは、テストに向けての目標を尋ねても、「楽しむ」という単語が非常に多く聞かれた。

「まずはあらゆることを発見して、学ぶことだね。コースもクルマもチームも僕にとって新しい訳だから、やることはたくさんだ。この2日間、できるだけ楽しめるようトライするよ」

「そして目標はというと、マシンに自信を感じられるようにしたいね。F2とは違ってパワーステアリングがあって、DRSはない。エンジンも違うし、マシンも全く違う。タイヤにも慣れないといけないね」

「とにかく、どうなるか楽しみだ。マシンに慣れて、楽しんで、できる限り速く走れるようにするよ」

 近年のスーパーフォーミュラでは、ピエール・ガスリー、ローソン、そして岩佐歩夢(2024年の参戦が決定)と、レッドブルジュニアの有望株が参戦している。そして彼らを送り込むレッドブルは、スーパーフォーミュラをF1昇格に向けての“最終試験場”とみなしているようにも感じられる。

 F2でタイトルを獲得し、スーパーフォーミュラへと送り込まれたプルシェール。仮に来季スーパーフォーミュラに参戦することになれば、F1昇格に向けてザウバーを納得させるために何か結果という形で証明する必要があると思うかと尋ねると、彼はこう答えた。

「彼ら(ザウバー)としては、F2チャンピオンのリザーブドライバーがいるということになる。僕がF1に乗れる能力があるかどうかについて彼らが確信できていなかったとしたら、僕としては言えることはないよね。つまり、F2チャンピオンというのは、若手ドライバーが達成し得るものの中で最高のものだと思っているんだ」

「もし来年スーパーフォーミュラでレースができるなら、全力を尽くす。マシンも速くて、素晴らしい選手権だからね。日本の人たちもみんな温かく迎えてくれたし、ここにはファンもたくさんいる」

「だからここに来られることは本当に光栄だし、できる限り楽しみたいと思っている」

 そう語ったプルシェール。F2王者となったことで、ザウバーには既に実力は証明できていると考えているようだが、スーパーフォーミュラに参戦することは様々な点で自分を成長させてくれるだろうと話した。

「人として、レーシングドライバーとして、自分を成長させる良い経験になると思う。レースに限らず、人生についても多くのことを学べると思う」

「マシンも速く、ダウンフォースがあり、技術的にもF1とかなり近いものがある。F2からF1へのステップにもなるし、そこも良い点だ」