2年連続で最終戦までタイトル争いに残ったもののシリーズ2位に終わったNISMO(NDDP RACING)の3号車から、エースナンバーである23号車のドライバーに抜擢された千代勝正。甘いマスクと日産の若手育成プログラムであるNDDP出身ということで若手のイメージが強かったが、年齢は脂ののった37歳となる。しかしまだまだ進化を続けており、ニスモ首脳陣からも評価の高いドライバーのひとりであった。

 23号車のクルーとなった千代に、セパンのウィンターテストで話を聞いた。

「今季23号車に乗るということを聞いた時は正直驚きましたし、自分を23号車に選んでもらえたということは、非常に光栄なことだと思います」

「23というのはこれまで素晴らしい先輩方が継承してきた番号(カーナンバー)ですし、僕が知っている中でも日本人としては(影山)正美さん、本山(哲)さん、柳田(真孝)さん、(松田)次生さんと錚々たる先輩ドライバーがいます。そんな中でNISMOの伝統を受け継いでいかないといけません」

 そして千代はこう続けた。

「僕はチャンピオン獲得経験がない状態で23号車に乗るということになりプレッシャーはあるのですが、(同じNISMOの)3号車と刺激し合いながらやっていくことは良いことだと思います。(23という)番号に関しては、これまではチャンピオンを獲ることが目標だったのでこだわりはなかったのですが、選ばれたからには嬉しいし、それに対して全力を尽くすしかないと思っています」

 これまでの3号車とは違うことはあるのだろうか?

「3号車から23号車に変わることで責任感とプレッシャーが増すので、やらないといけないことも増えると思います。チームメイトもスタッフも変わるのですが、これまでの3号車と23号車はいつもピットが隣り合わせでしたから、気心の知れたメンバーも多くいますしそこに不安はありません。今季から一緒に組むロニー(クインタレッリ)さんはこれまでもずっと近くで見ていましたが、すごくストイックで真面目なところが尊敬できます」

 タイヤがミシュランからブリヂストンに変更となったことについて大きな影響もあると推測される。これについて千代は「(レーシングカーにとって)一番大きなファクターが変わるということで、そういった部分ではチームもまだ慣れていない部分も多いし、スタッフといろいろ会話をしながら僕らも勉強している最中で、まだまだこれから学ばなければならないことも多いです」と気持ちを新たにしている。

 千代のブリヂストンタイヤの経験は、2019年第6戦オートポリスで体調のすぐれないジェームス・ロシターに代わりTEAM IMPULから急遽決勝を走って以来となるが、「ヨーロッパではピレリとミシュラン、日本ではヨコハマとダンロップにお世話になっていました。これまでブリヂストンと仕事をする機会がなかったので、フレッシュな気持ちでできるなと思っています」と前向きに捉えている。

 今回のウィンターテストは順調に進んでいるのだろうか。

「テストは前半の途中まで経過して、今季仕様のセットとブリヂストンタイヤをチェックしながらテストメニューを淡々と進めています」

「セパンを走るのは4年ぶりですが、走行する車両の台数が増えると路面にラバーがのって路面変化が大きくなってしまいます。国内のサーキットをイメージしながらテストしないといけないので、ここで調子いいからと言っても鵜呑みにしてはいけないと思っています」

 そして千代は最後にファンに向けてこう締めくくった。

「チームはみんなモチベーション高く、新しいタイヤも学んで頑張っていこうという気持ちでテストに臨んでいます。今年はこれまで以上にチャンピオンを狙っていくという強い気持ちで準備を進めていますので、応援をよろしくお願いします」