ルイス・ハミルトンは2024年限りでメルセデスを離れ、2025年からフェラーリに加入する。チーム離脱が2024年シーズン開始前に決まってしまったが、チーム代表のトト・ウルフはチーム内での扱いに差をつける考えは持っていないという。

 メルセデスで黄金時代を築き上げてきたハミルトンだが、2月1日にフェラーリへの電撃移籍が発表。7度のF1王者が10年以上在籍してきたチームを去る事になった。

 まだ2024年シーズンのテストすら始まっていないこの段階でライバルチームへの移籍が決まったことで、論理的にはハミルトンのチーム内での扱いが軽視される可能性も考えられる。しかしウルフ代表は透明性と公平さを保つことがチームの方針だと語っている。

「チーム代表として、そしてメルセデスの一員として常に透明性をもつこと、そしてフェアであることを常に心がけてきた」

「そして2024年も、その点では何も変わらないだろう」

「我々は自分たちの原則や意向、自分たちのやり方に従っており、それを尊重するつもりだ。そしてドライバーもそれを尊重してくれると思っている」

「今後の開発という面では、検討する必要はあるかもしれない。レギュレーションはほぼ同じままだ。2025年に関しては、シーズン後半に技術的な情報の観点から評価することになるだろうが、それは全く心配することではない」

「ウチを辞めて他のチームに向かうエンジニアもいるが、(退職前の)通達期間が6ヵ月とかなり短いことも時にはあるんだ」

「情報共有という面で、我々はルイスに何の疑いも持っていない。我々は両ドライバーにとって、そしてメルセデスにとって今年を確実に成功したシーズンにしたいと思っているから、そのために全員が全力を尽くすつもりだ」

 ウルフ代表は、チームを離れるドライバーに対する情報管理という追加の課題にも全く怯んでいない。

「チームにとっては、確かにマネジメントしなくてはならない新しい状況なのは間違いない」とウルフ代表は言う。

「しかしそれらは非常に短期的な面に集中した際のものであり、マシンを走らせるレーシングチームとして、今後の開発サイドに大きな影響を及ぼすものではない」

「私は常に新たな挑戦的状況を楽しんでいるし、2024年のメルセデスの利益と2025年のドライバーの利益のバランスについては、最初に開かれた姿勢でどう管理するのか話し合うつもりだ。そして、間違いなく我々の間で良い結果が得られるだろう」

 ハミルトンの移籍発表後から彼の後任ドライバー選びについての話題も非常に注目を集めている。ただウルフ代表はハミルトンのシートを埋めることよりも、2024年シーズンを優先していると語る。

「今、我々がまず集中している点は、2024年シーズンなんだ」

「チームにはふたりの素晴らしいドライバーがいる。ルイスはメルセデスでの最後の年を迎えていて、そしてジョージ(ラッセル)もマシンに乗り込んでパフォーマンスを発揮したいとやる気だ」

「我々は昨年のマシンよりもペースのあるマシンをコースに送り出さねばならない。レッドブルだけではなく、他のチームとも競争するのが、どれだけ難しいことなのか我々は理解しているんだ」

「ルイスの決断についての話だが、ジョージのことがあまり語られていない。ジョージはこのチームをリードする次のドライバーになるポテンシャルを備えている」

「彼はランド(ランド・ノリス/マクラーレン)やルクレール(シャルル・ルクレール/フェラーリ)といったドライバーの世代のひとりだ。ルイスが去ったとしても、新しいチームリーダーを望むことはなかった」

「こうしたしっかりとした基盤を備えていて、マシンには知的かつ才能のあるドライバーが乗っている。あとはセカンドシートに相応しい人選をするだけだ」