2025年にメルセデスからフェラーリに電撃移籍することを発表したルイス・ハミルトン。しかしそれに伴って主要スタッフがメルセデスから抜けることはないようだ。

 スタードライバーがチームを変える際、信頼の置けるスタッフに声をかけたり、あるいはスタッフがそのドライバーと共に仕事をするのが好きだったりという理由で、ドライバー以外の移籍も同時に行なわれることも多い。

 1996年には、ベネトンからフェラーリに移籍したミハエル・シューマッハの後を追い、テクニカルディレクターのロス・ブラウンとチーフデザイナーのローリー・バーン、そしてその他の主要チームメンバーもチームを移した。

 ジャック・ビルヌーブは1999年にウィリアムズからBARにレースエンジニアのジョック・クリアを連れて行き、2015年にはアンドレア・ステラがフェルナンド・アロンソとともにフェラーリからマクラーレンに移籍した。

 ハミルトンの場合、長年連れ添ったレースエンジニアの“ボノ”ことピーター・ボニントンもフェラーリに移る可能性があるのではないかと見られていたが、motorsport.comの取材によるとメルセデスとの契約に存在する条項により、同様の人事異動は起こり得ないようだ。

 昨年夏にハミルトンとメルセデスの間で交わされた契約の詳細な条項の一部として、ドライバーがチームを移籍した場合にチーム関係者が流出するのを防ぐための特定の条項が含まれていたと考えられている。

 こうした”非勧誘”条項は、上級管理職契約では一般的なもので、ハイレベルの人材が競合他社に雇用され、他の人材を誘おうとした場合に、大量の人材流出から企業を守ることを目的としている。

 こうした契約は、すべての関係者が同意した場合の移籍を防ぐことはできないが、起こり得る大きな混乱を防ぐことができる。

 F1においても、こうした条項が盛り込まれることは、特に上級管理職では珍しいことではない。また過去には様々なドライバーの契約にも盛り込まれ、スタードライバーが最高のチームメンバーを引き連れて移籍することを制限してきた。

 2014年の終わりにレッドブルからフェラーリに移籍したセバスチャン・ベッテルは、レースエンジニアの”ロッキー”ことギヨーム・ロケランを引き抜くことができなかった。

 メルセデスのトト・ウルフ代表は近い内に、ボニントンと将来について話し合うことになると考えている。

「これは、これから数ヵ月の間に誰もが行なう必要がある議論だと思う」とウルフは語った。

「それは今後話し合うことになるだろう」