メルセデスF1のトト・ウルフ代表は「現在のF1を支配するレッドブルにメルセデスが勝つ日がいつ来るのか?」という問いに答えてくれる“水晶玉”はないと語った。

 メルセデスは2月14日(水)にイギリス・シルバーストンで大幅改良を施したニューマシンW15を発表し、ルイス・ハミルトンとジョージ・ラッセルが早速シェイクダウンを実施した。

 ウルフ代表はメルセデス陣営が活気づいており、ニューマシンのパフォーマンスについても楽観的な姿勢だが、過去2シーズンをほしいままにしてきたレッドブルに挑むのは容易なことではないと認めた。

「このレギュレーション下でかなり優位に立ち、過去2シーズンで我々がそうでなかったのと対照的に、上手く物事を進めたチームを打ち負かすことができる確率について現実的に考える必要がある」

「このスポーツに奇跡はない。しかし我々の野心は強い。レッドブル、そして大成功を収めた彼らのマシンが我々の目指すベンチマークだ」

「それ(レッドブルを破るのが)いつになるかは分からない。水晶玉なんて無いからね。しかし彼らがどれほど前にいるのか、我々の課題はすぐに分かるはすだ」

 またウルフ代表は、F1が現在のグラウンドエフェクト時代に突入して以降の2年間において、メルセデスがマシン開発の方向性を誤ったことを認めた。

「新しいレギュレーションで我々は間違いを犯した」とウルフ代表は言う。

「しかし10年後、あるいはもっと後に振り返った時に、8年連続でコンストラクターズランキング1位となったあと、3位、2位と書かれていれば、それは立派な結果であり、それほど悪くはなかったと思えるだろう」

「ただ、ここでは他のチームや他のドライバーがほとんどのレースを制していることを加味していない」

「フェラーリやマクラーレン、時にはアストンマーティンに対して我々のポジションを固め、そのグループの先頭に立つことが目標になる」

「同時に、最前線でレースをすること。これが我々の目標であり、我々はそう決意した。ただし(レギュレーション改定後から)勢いそのままに突き進む主要ライバルの後塵を拝してきた訳だから、それがどれだけ難しいのかは理解している」

「しかし我々はこの挑戦が大好きだ。だからこそ我々全員が、マシンがついに走り出すという瞬間を見たいと熱望しているんだ」

 ウルフ代表曰く、2022年のW13と2021年のW14が期待外れの結果に終わったことで、チームはあらゆる領域で何を変えるべきか、特にシミュレーションデータが示唆するようなパフォーマンスをサーキットで発揮できなかったのはなぜかを見つめ直す必要に迫られたという。

「最も重要なことは、内側に目を向けることだと思う」とウルフ代表は言う。

「何が間違っていたのか? なぜシミュレーションと現実世界が相関しなかったのか? 我々はいくつかの手がかりを見つけられたと思うし、この方向に進み、可能な限り多くの不確定要素を排除しようとした」

「社内の活気は、ここ何年も見たことがないようなレベルだ。難しいことは分かっているし、我々が登る山が大きいことも分かっている。レッドブルのように大きくリードしているチームに挑むのは簡単なことではないからね」

「でも我々は素晴らしいドライバーラインアップがあるし、上手くいけばマシンも速い。成功のために全力を尽くしてくれる最高の人たちがファクトリーにはいる。また上位に戻れるような良い要素はあると思う」