マクラーレンの2024年用ニューマシンMCL38のチーム発表写真を見ると、いくつかの部分が巧妙に隠されているように見える。チーム代表のアンドレア・ステラは、このMCL38には「多くの革新的な部分がある」と発言しているが、もしかしたらこの隠された部分に、革新的な何かがあるのかもしれない。

 2023年はシーズン序盤こそ苦戦したものの、アップデートが投入されるや否や急激にパフォーマンスを上げ、表彰台の常連にまで躍進したマクラーレン。2024年はさらなる前進、つまり打倒レッドブルを狙うシーズンとなる。

 そんな2024年シーズンを戦うマシンとしてマクラーレンが登場させたMCL38は、一見したところ昨年型MCL60の正常進化版。大きな変更が加えられたようには見られない。

 しかしステラ代表は次のように語り、いくつかの急進的な側面があることを匂わせた。

「このマシンには、多くの革新的な部分がある。我々が取り組みたい全ての領域が、この発表会仕様のマシンで完了しているわけではない」

「これらはシーズン中の開発の焦点となっていて、今も進行させているところだ」

 ステラ代表が言う”革新的な部分”が何を示すのか、その詳細は明らかにされていない。しかし発表されたMCL38の写真を詳しく調べてみると、あるエリアが巧妙に隠されているように見えることが分かった。

 マシンのフロアエッジ部分を詳しく見ると、側方からの画像と斜め前からの写真では、明らかな違いがある。本稿のメインの画像を見ていただくと、それがよく分かる。

 斜め前からの写真では、フロアの端は平らで、直線的になっている。しかし側面(メイン写真の丸の中)から見ると、同じ部分には上方に歪んだ部分があることができる。

 この2枚の写真は、ほぼ同じタイミングで撮影されたモノであるはずだ。しかしその2枚に写ったマシンの仕様に違いがあるということは、チームのなんらかの意図が働いているだろうと勘繰らざるを得ない。2枚の写真を撮影する間に、フロアを別のモノに取り替えるということは、通常ならまず考えられないのだ。

 そうなると、疑問はどちらが真のMCL38に近いのかということだ。しかし残念ながら、あえて平らにしたのか、あるいは意図的に歪みをもたせたのか、あるいはいずれも実際のMCL38とは違うのか……そこまでは現段階では判断できない。

 いずれにしても、マクラーレンはフロアにどんなことをしてきたのかということについて、詳細を明らかにしたくなかったということを示唆しているというのは事実だろう。

 ステラ代表は、今年初めに2024年仕様のカラーリングを発表した際、昨年のシーズン中に行なった”ハンドリングの癖”を理解するための努力について言及。それを解決するためにいくつかの巧妙な設計が行なわれていると語った。

「例えば、知的財産を保護するためだけに公開したくない部分がいくつかある。しかしこれは、冬の間の最優先事項のひとつだった」

 そして問題を完全に解決するまでには、もう少し時間がかかるともステラ代表は説明している。

「いくつかの解決策は、発表仕様に組み込まれる可能性がある。しかし実際には、プロジェクトの一部はその他の開発と一緒に実戦投入される作業上の流れにある」

「問題によっては、対処するまでに数ヵ月かかるかもしれない」