ジャック・ドゥーハンはアルピーヌのF1リザーブドライバーとして、2024年はルーキー起用義務がある2度のFP1だけでなく、旧車を使った10日間のプライベートテストでも走行する予定だ。

 さらにシーズンを通してシミュレータでの作業も行なうため、かなり経験を積むことができるはずだ。ドゥーハンはそうした経験が2025年のF1シートを獲得する上で有利に働くと考えている。

 アルピーヌのエステバン・オコンかピエール・ガスリーのどちらかが他チームへ移籍することになれば、ドゥーハンは彼らのシートを獲得する後任候補として有利な立場になるだろうし、アルピーヌのシートに空きがなければ、他チームにとっても魅力的な存在となる可能性がある。

「F1でレースを走ったことのないドライバーの中で、僕は間違いなくマシンの走行距離が最も多いドライバーだ」

 ドゥーハンはmotorsport.comにそう語った。

「その経験は単なる1周の走行ではなく、レースディスタンスだったり、ウエットやドライ、気温が高くても低くてもだ。F1チームにとって魅力的なことであることは間違いない」

「僕としては、今は来年のグリッドを確保することだけに集中している。一方で、これらのテストも非常に重要なので、自分が仕事をこなせているかどうかも確かめる必要がある」

 ドゥーハンは、アルピーヌのブルーノ・ファミン代表にオコンやガスリーの後任にふさわしいドライバーだと納得させることが最優先だと語った。

「僕は(2025年のF1グリッドに並ぶと)決心しているんだ」

「それが僕のプランだし、ブルーノやチームのプランでもある」

「今のところ、僕はアルピーヌと長い契約を結んでいる。だからここにいたい。チームとは3年間一緒に仕事をしてきたんだ」

「みんな顔なじみだし、良いつながりがあって良い雰囲気だし、チームの士気も高い。だから、できればそうなることを願っている」

 10日間のプライベートテストは、マクラーレンでF1デビューを果たす前にアルピーヌのリザーブドライバーだったオスカー・ピアストリが2022年夏に行なっていたものと同様のプログラムで、ドゥーハンは現在F1が開催されている様々なサーキットで走行距離を積み重ねることになる。

「21年型マシンで1日、そして2022年型マシンで9日だ。だから、年末までにはF1での走行距離がかなり伸びそうだ」

「もうすでに、かなりの時間をクルマで過ごしている。アブダビのFP1でクルマに飛び乗ったように、準備ができているように感じる。F2を出てすぐに乗ったけど、ピエールとコンマ5秒差だった」

「だからあとは前進するだけだ。2022年のクルマは(レギュレーション変更後の)次世代型だからね」

「カタールとアブダビ、それからヨーロッパの典型的なサーキット、モンツァ、レッドブルリンク、シルバストーン、バルセロナに行くよ」

「ザントフールトにも行ける。F1マシンでテストをするような典型的なサーキットではない。テクニカルで難しいサーキットだということは知っているから、そこに2日間も行けるなんて、本当にクールだよ。だから、行ったことのあるサーキットをいくつか増やすことができる

 以前、ドゥーハンはアルピーヌのWECプログラムに参加するという話もあったが、今年はレースに参戦しない。そのため、F1の全24戦でリザーブドライバーとしてチームに帯同することになる。

 WECについて「確かに話はあった」とドゥーハンは話した。

「仕事が多すぎるという問題ではなかったと思う。それよりもF1だけに集中することができないというのが大きかった。同じサポートができないレースも増える」

「シミュレータに乗らないからといって、世界の終わりというわけじゃない。でも、最終的にはシミュレータで本当に良いプログラムがいくつかあるんだ。自分がそこにいるだけで、チームにとってもとても有益なんだ」

「僕はチームのレースドライバーになりたいんだ。だからそのつながりがあるのはとてもいいことだよ」

 F1チームによっては、リザーブドライバーを複数抱えて仕事を分担しているところもあるが、前述したようにドゥーハンはアルピーヌの全24レースに帯同する。

「飛行機で3時間以上かかるレースでは、週末はずっと現地にいなければならない。あるいは、そうした週末にサーキットにいなかったとしても、スタンバイが十分可能な地域にいることになるだろう」

「これ(2024年にレースをしないこと)は、奇妙な感じだよ」

「フィットネスやトライアスロン、ランニングなど、モータースポーツ以外の活動でレースに出ようとしているんだ。本当に楽しんでいるし、未知の領域に身を置くのは、健康を維持し、頭をシャープに保つ良い方法でもあるんだ」