レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、F1ドライバーズタイトル3連覇を果たし、押しも押されぬトップドライバーとなったが、その走りを支えるステアリングホイールのデザインには意外な由来があるようだ。

 F1ドライバーのステアリングホイールは、今や様々なスイッチやボタンが登載されたハイテク機器となっており、ドライバーは操作がしやすくなるよう自分好みにカスタマイズするのが普通となっている。グリップやボタンの配置なども含め、チームメイトとデザインが違うのは当たり前だ。

 しかしフェルスタッペンは、新車RB20の発表会の中で、2016年にレッドブルに加わった際、ダニエル・リカルドのステアリングのデザインをコピー。以来ほぼ仕様を変更せずに使用してきたことを明かした。

 2016年のシーズン途中からレッドブルに昇格したフェルスタッペンは、リカルドのステアリングホイールがどのようなデザインなのかを観察。以降、自分のスタイルに合うようにステアリングをデザインするのではなく、同じものを使ってきたのだ。

「新しいチームに入るときは、そのチームに長くいるチームメイトが使っているものを見て、それを参考にしてスタートする。それが論理的なことだからね」

 そうフェルスタッペンは語った。

「8年前にレッドブルに来たとき、僕は基本的にダニエルのデザインを採用した。そう、彼からすべてをコピーしたんだ」

 フェルスタッペンはリカルド仕様のステアリングホイールをテストしたフェルスタッペンは、すぐにそれに適応。アグレッシブなドライビングスタイルとも合っていたことから、フェルスタッペンがそれを使う続けるという決断を下した理由はよく理解できる。

「もし何かをテストし、ステアリングの動きやその他のすべてに満足できれば、あまり多くの調整をする必要はないと思う」

 そう話したフェルスタッペンだが、レッドブルでリカルド仕様のステアリングを使い始めてから、そのデザインが全く変わっていないわけではないと主張。小さな変更ではあるものの、ディスプレイにいくつかの変更を加えてきたと説明した。

「ステアリングは何年もかけて少し改良されたが、デザインは基本的に同じなんだ」

 フェルスタッペンがほぼ同じステアリングを使い続ける間、レッドブルはパワーユニットのサプライヤーをルノーからホンダに変更している。それでもフェルスタッペンは変更を最小限に留めている。

「もちろん、最大の変化はエンジンサプライヤーの変更によるものだが、その意味ではあまり関係なかったんだ」

 おそらく、リカルドのアグレッシブなオーバーテイクスタイルやいくつかの動きも、フェルスタッペンのドライビングスタイルに合っていたのだろう。フェルスタッペン特にF1キャリア初期のころは、コース上でライバルと戦う際に非常にアグレッシブな走りを見せることが多かった。

 今や3度のチャンピオンに輝いているフェルスタッペン。独自のデザインを考案する必要がなく、レッドブルのマシンに適応するために他の必要な部分に集中することができたことが、活躍の一助になっているのかもしれない。