ロードレース世界耐久選手権MotoGPの最高峰クラスに今年デビューするペドロ・アコスタ(GASGAS)は、いずれチャンピオンシップ争いに絡んでくると、マルク・マルケス(グレシーニ)は考えている。

 アコスタは2021年にMoto3クラスにデビュー。そしてデビュー2戦目で勝利してしまうと、そのままタイトル争いに加わり、デビューイヤーにMoto3王者となった。2022年にはMoto2クラスへ昇格し、優勝争いを展開。2023年にはMoto2クラスでも王者に輝き、2024年に19歳(今年5月に20歳になる)で最高峰のMotoGPクラスで世界最速を競うことになった。

 近年のライダーの中でも、アコスタは特に有望視されている存在だ。そして開幕前のセパンテストを終えた段階で、ライバルからもアコスタが見せている適応の速さなどから、彼の才能を確信する声があがっている。

 セパンテストでアコスタはルーキーであることから、シェイクダウンから参加。計6日間走行したが、最終的にKTMのブラッド・ビンダーに対して0.1秒以内のギャップしかないタイムを記録している。

 現在最年少MotoGP優勝記録を持つマルク・マルケスは、セパンテストでのアコスタの進歩を確認しており、「遅かれ早かれ」タイトルを争うひとりになってくるだろうと語った。

「彼はシーズン中にすごく速くなってくるだろう。(2019年に最高峰クラスデビューを果たした)ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)がそうだったようにね」

「今、MotoGPにあがってくるライダー達はみんな本当に速い。ペッコ(フランチェスコ・バニャイヤ/ドゥカティ)があがって来たときの最初のテストで彼はもうリードしていた。1日目から速かったんだ」

「ペドロはテスト期間から非常に速かった。クラッシュもしていたけど、それも学びの形だ」

「何回クラッシュしていたかは知らない。でもそれだって学びなんだ。彼はアタックしているのが良い。良いメンタリティだ。僕は常に考え方が良いものだと思っている側だからね」

「彼は速さがあるし、一角の人物になるだろう。時間は必要になる可能性もあるけど、遅かれ早かれ彼はタイトルを争うようになると思う」

 アコスタがセパンテストで示した速さには、陣営であるKTMのモータースポーツディレクターを務めるピット・ベイラーも興奮しているようだ。

「マレーシアでは私も皆さんと同じものを目にしたよ」とベイラーは言う。

「彼は素晴らしいスタートを切って、素晴らしい仕事ぶりだった。この6日間の間に、毎日どんどん良くなっていったんだ」

「最終的には昨年の(マレーシアGPの)ポールポジションタイムよりも0.2秒速かった。つまり彼がこのクラスで到達しているレベルは、本当に高いということだ」

「彼がこれまでのクラスでどれだけ多くのレコードを破ってきたのか、どれだけの若さなのかといったことを誰もが話している」

「それにしてもMoto2からMotoGPへ移った今、実際に何が起きるかを確かめるのは、興味深いことだ。予想よりも物事が上手くいくこともあるが、とても厳しいことになることもありうる」

「しかし彼は本当にアメイジングだ。とても良いね」

■まだまだ学習中のアコスタ

 こうして期待が高まっているアコスタだが、本人はまだまだ学習中と浮足立った姿勢は見せていない。

 ライダーとしての進歩がどれほど進んだかと訊かれた際、アコスタは次のように答えた。

「まだ道半ばだ。今も(トップタイムから)0.6秒離されている」

「最終的に他のライダー達は、どうやって速く走るのかを知っていることが分かった。マルケスがテスト初日に苦戦していたのか、それともちょっと抜いていただけなのか僕には分からない」

「だけど最終日に彼は速かったし、間違いなく良いタイムを記録していた。ああいう人たちは、やり方を知っているんだ。みんなバカじゃないし、どういう風にやれば良いのかを把握している。それは驚くことじゃない」

「でも僕はかなり満足している。昔のレコードタイムよりも速く走れているんだ。他のライダーも速いけれど、僕はまだ道半ばなんだからハッピーだ」