MotoGPの2024年シーズンで最大の注目を集めていると言っても過言ではないマルク・マルケスとドゥカティの組み合わせ。ただ本人は今の段階で優勝を目指すことは、大きなフラストレーションを溜めることになるだろうと語っている。

 最高峰クラス昇格以降、11年間をホンダで過ごしてきたマルケスは、2024年からグレシーニに加入。ドゥカティのバイクに乗り換えることになった。

 6度のMotoGP王者が、型落ちとはいえ現在最強と目されるドゥカティのマシンを走らせるということでその注目は際限なく高まっており、シーズン開幕が近づくに連れてさらに話題となってきている。

 ライバルのライダー達からすらも今年優勝争いに加わってくるという声が聞こえてくる一方で、マルケスはこれまでのところ常に控えめな考えを示してきた。

 2月19日からはカタールテストが始まったが、ここで改めて2021年以来の勝利を目指して戦える可能性について尋ねた。しかしマルケスはそうした期待を“理解”しつつも「僕も人間だ」と答えた。

「ファンのみんなの期待や、彼らが僕のことを信じてくれているのは分かる。でももうひとつ、現実という視点がある」

 カタールテスト初日を16番手で終えたマルケスは、そう語った。

「その現実というのは、相当厳しかった4年を過ごしてきて、ここで再び自信を得る必要があるということだ」

「プレシーズンテストを見てもらえれば分かると思うけど、僕はただ良い意味で冷静に、そしてバイクを理解しようとしていただけだよ。なぜかって? それには時間がかかるし、僕も人間だからだ」

「月日が経ち、若いライダーがやってきていて、彼らは速い。それは自然なことだ」

「どんなアスリートにもそれぞれの瞬間というものがある。そしてその状況にどうやって適応するかを一歩一歩理解していく必要があるんだ」

「もちろん難しいシーズンになるだろう。ドゥカティにはとても良い形でライディングするライダーが2〜3人いる。彼らから学ぼうとしているけど、時間がかかるし簡単じゃない」

「ステップバイステップで彼らに近づいていけるかどうか、様子を見てみよう。でも、それは僕の目標じゃないんだ。もし僕の目標が勝つことだったなら、それはものすごいフラストレーションになっているだろうね」

 マルケスはカタールテスト初日を、トップのフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)から約0.9秒差で終えている。

 彼はドゥカティのマシンを走らせる上でより自由を感じられるようになっていると語るが、まだホンダ時代のように走りたいという“本能”も残っていると説明した。

「ここでは最初からバイクにより自由に乗れていて、より自信を感じられて、バイクをもっと身体を使って操れるようになったと感じている。その点でもう改善されている」

「11年間同じバイクに乗ってきたから、まだそれと同じような形でサーキットに向かってしまうこともあるというのも事実だ。それが僕の本能なんだ」

「だけど一歩ずつ変えていかなくちゃいけない。ほぼ1日中自分自身のことに取り組んでいて、終盤にセットアップの仕事に取り組み始めたんだ」

「まずは自分のパフォーマンスやライディングスタイルに対する取り組みを始めて、だんだん良くなり始めた。だから明日(テスト2日目)にさらに前進できるかどうか、見てみよう」