かつてレッドブル・レーシングで7勝を挙げ、現在は姉妹チームのRBでドライブするダニエル・リカルド。2024年シーズンのF1にレッドブルが投入したRB20について、その仕様が昨年から大きな変貌を遂げたことはチームがいかに「競争相手を打ち砕きたい」と考えているかの表れだと考えている。

 レッドブルは昨年、RB19を投入して驚異の22戦中21勝をマーク。勝率95.45%というF1史に残る記録を樹立した。それを追いかけるライバルチームがRB19からインスピレーションを得たマシンを2024年シーズンに投入する中、レッドブルはかつてメルセデスが採用していた“ゼロポッド”にも通ずるコンセプトを取り入れた全く新しいマシンを登場させてF1界の度肝を抜いた。

 レッドブルが投入したRB20はバーレーンで行なわれた3日間のプレシーズンテストでも好走を見せ、ライバルチームを含め今年も再びレッドブルが他を圧倒するだろうという見立てが強い。

 レッドブルファミリーの一員であるリカルドは、既に圧倒的な強さを誇っていたRB19をさらに改良するためにレッドブルが見せた決断力が、チームの闘争心を完璧に表現していると語った。

 レッドブルがRB20で行なった変更について驚いたかとリカルドにmotorsport.comが尋ねると彼は次のように答えた。

「驚いていると笑っちゃうけど、僕はそうじゃないよ」

「レッドブルは勝っている時に最高のパフォーマンスを発揮するチームだと僕は感じている。彼らは勝っている時、競争相手を完膚なきまでに打ち砕きたいと思っているような気がする」

「彼らは『よし、勝てた。じゃあ休暇に入ろう』という感じじゃない。『しっかりと地に足をつけていよう』という感じだ」

「今年の彼らはそういう考え方でシーズンに挑むと思う。2023年の圧倒的なシーズンの後、彼らはビックリするようなマシンで現れたんだ」

 またリカルドは、RB20の開発を率いたレッドブルのチーフ・テクニカル・オフィサー(CTO)エイドリアン・ニューウェイの考え方に敬意を示している。

「彼らはどのチームよりも多くの改良を行なってきたと思う。それは本当にすごいことだよ」とリカルドは言う。

「僕はエイドリアンがマシンの近くにいるのを見るのが大好きなんだ。エイドリアンを特別視するのは悪いことだとは思わない。(マシン開発は)エイドリアン単体の話じゃないけど、彼が大きな役目を担っているのは確かだからね。見ていてとてもクールだよ」

「僕がファミリーの一員であろうとなかろうと、ひとりのファンとして、こういう強かったシーズンに対する執拗なアプローチや反応を見るのがとても楽しい。ある意味、賞賛しなければならないようなモノだ」

「ソファーで観ているファンにとっては『ああ、今年はどこかがレッドブルに挑んで欲しい』って感じだろう。それは分かるけど、彼らのアプローチには感服せざるを得ないよ」

 プレシーズンテストでのRB20の印象的な仕上がりから、早くもレッドブルが2023年シーズンに達成できなかったこと、つまり全戦全勝を期待する声も上がっている。しかしリカルドは、それを実現することはできないだろうと見ている。

「不可能に近いと思う」とリカルドは言う。

「レース数が多いし、雨のレースになるかどうかにもよる」

「彼らは今季、新しいマシンを投入し、僕もあれはレースで勝てるマシンになるだろうと考えている。でも分からないよ。昨年同様に圧倒的なシーズンになると確信するには早すぎる」

「彼らはレースで勝つ。彼らは勝つはずだ。でも無敵になるとまではまだ言えない」

「レッドブルが無敵になるには、F1は予測不可能すぎるんだ。彼らは本当に上手くやるはずだけど、その自信を持つにはまだ早すぎるよ」